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2018年7月7日(土) 吉原・裏浅草アート散歩〜吉原文化と樋口一葉『たけくらべ』の世界

江戸時代、遊郭として栄えた浅草の吉原。江戸市中からここへ向かうには、陸路に加え、隅田川から山谷堀と呼ばれる水路で行く方法もあったそうです。  

 

 今回の「吉原・裏浅草アート散歩」は、江戸時代の古地図を片手にこの水路をたどって吉原へ向かい、江戸時代の吉原文化、そして明治時代の吉原一帯が舞台の「たけくらべ」の世界を味わおうという企画です。  

 

企画・案内役は「浮世絵が得意分野!」という、アートエバンジェリストの橘高あやさんです。   お散歩当日は七夕。天空では天の川を挟んで織姫と彦星が年に一度出会う日に、江戸時代の男性たちが、川向こうの遊郭の女性に会いに通った堀を歩くとは、時空を超えたロマン、でしょうか……。

 隅田川から内陸へ入り三ノ輪へ向かう水路だった山谷堀は、今では埋め立てられ公園と遊歩道になっていますが、江戸時代、川から堀へ入る目印とされていたのが、最初の訪問先、小高い丘の上にある「待乳山聖天」です。

続いて七夕らしく、縁結びで有名な「今戸神社」へ寄り、お参りをし、おみくじを引いたり、御朱印をいただいた後……。

近くにあるレトロな喫茶店「貴船」で一休みしながら、蔦屋重三郎や歌麿など江戸の文化人と吉原について、そして樋口一葉と『たけくらべ』について、橘高さんのレクチャーを聞きました。


 
いよいよかつての吉原へ。
吉原への入口、現在の「吉原大門」の交差点には、遊び終えて吉原から出てきた人が、名残を惜しんで振り返ったという「見返り柳」(現在6代目)があります。  

そして古地図そのままのくねった道を入っていきます。この道沿いには、遊郭へ行くのに顔を隠したい人に編笠を貸す店があったりしたそうで、いつの世も人々のニーズをうまく捉えて商売をする人はいるものですね。

遊郭の入口「大門(おおもん)」の場所には、今はこの看板があるのみで、この奥が遊郭でした。

 

遊郭への出入りはここ一箇所。そして真四角に近い遊郭の外側は「お歯黒溝」で囲まれていたそうで、遊女が外へ逃げ出さないような仕組みが整っていたことがわかりました。

 

このあたりの区画は今もほぼ同じですが、「お歯黒溝」は埋め立てられてしまっているものの、遊郭街のぐるりと堀が囲んでいたことが、歩きながら実感できました。

 吉原と目と鼻の先に「一葉記念館」があります。

樋口一葉は一時期、このあたりに住んでいたことがあり、ここでの生活が一葉文学の基盤とのこと。そして『たけくらべ』は、吉原界隈を舞台に、そこに暮らす子どもたちが登場する作品です。

 

このあたりの話だったんだ……国語の時間に何を学んだのやら、と思いながら、一葉文学や、当時の吉原界隈について展示されている館内を一巡りしました……。

最後の訪問地は、『たけくらべ』にも出て来る「千束稲荷神社」。境内には樋口一葉の胸像があり、この神社が作品に出て来ることも記されています。

 

 

暑かった半日のお散歩はこれにて終了。知っているようで知らなかった吉原、そして樋口一葉との関係を、体験・体感でき、参加した皆さまもとても満足された様子でした。

 

橘高さん、すばらしい企画と楽しいトークをありがとうございました!

(ART TRANSIT事務局)

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