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2014年5月31日(土) 展覧会チラシの活用方法 美術検定事務局コラボセミナー

美術検定事務局さんとのコラボセミナー、昨年に続き第2弾として、「展覧会チラシの活用方法」というテーマで開催いたしました。

 

美術展によくお出かけされる方は、美術館においてあるチラシをよく目にされることと思います。そして沢山手にとって持ち帰られる方も多いことでしょう。

そのチラシたち、皆さんどうしていますか??
会期が終わると捨ててしまう・行った記念として保管する・興味があるものだけ選ぶ・・・・などなどそれぞれあると思います。

展覧会を知るひとつのきっかけとなるこのチラシ。何か有用な活用方法はないのでしょうか??
アートナビゲーターの皆さまと考える、そんなセミナーとなりました。

 講師には、インディペンデント・キュレーターの土方浦歌さんをお迎えしました。

土方さんは、美術館での学芸員経験もおありということもあり、「チラシ」がどのようなタイミングでどのように制作されていくのか?という観点からもお話をいただきました。

お話によると、ひとつの美術展をやるに際し、さまざまな印刷物が制作されるわけですが、その中で圧倒的にその量が多いのが、この「チラシ」だそうです。 

しかし、会期よりだいぶ前より、制作し配布していかなければならないものでもあるため、そこに掲載されている「情報」というのは、ほんの一部であるという場合もあり、会期に近づくにつれチラシの情報が厚くなってくる場合もあるそうです。

 

そもそも、一展覧会に付き、一チラシという文化は、日本独特のものであるともいえるそうです。

諸外国の美術館では、日本ほど「展覧会ごと」にチラシがあるということはほとんどないようです。
それは、パリやイギリス、ニューヨークなどの大きな美術館は、「企画展」より「コレクションを見せる」という意味合いのほうが強いから・・・とも言えそうですね。

さてさて、そのチラシ。
歴史を辿ると、江戸時代の「ひきふだ」に行き着くようです。そして1860年の万国博覧会の案内状へと引き継がれ、美術展の案内チラシへと発展してきたようです。

 

実は美術館自体、この「チラシ」を保管管理しているところはとても少ないそうです。鑑賞者のほうがきちんと保存している=有用性を感じているもののひとつなのかもしれませんね。。。

 

皆さまのお話をまとめると、皆さんにとってチラシとは、

1.情報源として

2.スケジューリングのため

3.記念として

4.チラシ自体がきれいだと保存しておく

だいたいが、上記のような存在価値があるようでした。

懇親会スタートしました。   懇親会では、各々が簡単な自己紹介をしながら、美術・アートへの関心がどういうところにあるのか?など楽しくお話が出来ました。

簡単な懇親会でしたので、あっという間の時間でしたが、皆さま活発にお話をされ、楽しい時間となりました。ご参加いただいた皆さま、美術検定事務局さまありがとうございました。

保管するかどうか?については。

1.スキャンしてデータで保存する

2.美術館ごとに原本を保存する

3.行ったものだけ原本を保存する
4.気に入ったものはパウチする

5.特設のWEBサイトは会期終了後見れなくなるので、
  チラシの情報に頼らざるを得ないため保存する

など、さまざまな意見が出ました。

 

そして、皆さん声をそろえて言うのは

「膨大すぎて、管理が大変」とのこと。

 

メディアというものが発展してきている昨今、この紙媒体であるチラシという役割はその必要性があるのか?

というお話まで出てきました。

 

●やはり、紙という触感を大切にしたい

●ただの情報ではないチラシそのものの面白さがある

●情報源という意味では、はるかにWEBが良いと思うが、チラシの役割はただの情報源ではなく、その展覧会の面白さやデザイン性の高さで、「行こう」と思えるものもあるから、大切な存在

●図録ほどの内容の充実度・責任の重さがないものなので、もっと面白いものを作ってもいいのではないか?

●万が一、情報源としての役割を終えたとしても、記録媒体としての役割はあるのではないか?

 

などなど、かなり突っ込んだ面白い意見が沢山出てきました。

 

美術館に通う人にとって身近な存在である「展覧会チラシ」。

各々が各自で管理するほかないという現状を、これだけのデジタル化社会なのだから、どこかに集約してアーカイブ化できないものなのだろうか?という、ご意見も出てきました。

 

☆情報源としてのチラシ

☆アーカイブ(記録・記憶)としてのチラシ

 どうやらこの2つに集約されてくるようですね。

 

チラシひとつとっても、さまざまな意見や今後について、鑑賞者ならではの観点からいろいろな話が出てきて、あっという間の時間でした。

 

またこのような機会を設けて、アートナビゲーターの皆さんと、いろいろなお話をしていけたらと思います。

 

              (ART TRANSIT事務局)

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