• トップ
  • 会員案内
  • サークル概要
  • 認定講師制度
  • 資料請求

イベント案内

過去のART LABO
ART TRANSIT TOP > イベント案内 > レギュラーイベント > ART LABO > 過去のART LABO

2024年3月2日(土) 本年テーマに沿った施設を観に行ってみよう!<消防博物館>


今年度のテーマが「デザイン」ということで、四谷3丁目にある「消防博物館」に行き、企画展「消防と防災のデザイン展」をはじめ、消防・防災に関するデザインをテーマに見学に行きました。 

 消防博物館は地上10階地下1階の立派な建物です。入館するとすぐにヘリコプター、消防車、救急車が目に入ります。アートラボでは美術館に行くことが多いのですが、今回はやや趣が異なってワクワク感もありました。

消防博物館は東京都が平成4年に建設したもので、消防関係の資材、資料が多数収蔵されています。 しかも料金は無料です。消防に関する博物館は世界的にも数が少ないそうです。 そのためか、当日も外国人の方も結構見えていました。
今回、博物館のインストラクターのかたが説明をして下さいました。「消防と防災のデザイン展」ですが、ポスターをはじめとする印刷物などが展示されています。
本展では、デザインアートは情報を伝える強力なツールであるとし、大正から昭和の火災や防災に対する意識を高めるための作品を紹介するものとなっています。      

まずは、火災予防に関する各地のポスターですが、一番古いものは大正11年旭川市のもので、風呂の薪、囲炉裏、竈門などの絵が火災原因として、当時の生活ぶりとともに記されています。現代よりも生活に直接火を扱うことが多かったでしょうから、現代にも増して火に対する注意がされていたことが伺えました。

他にもポスターの多くは火災時の凄まじい炎であったり、燃え尽きた家屋など、見る人に衝撃を与えるようなデザインが多くありました。やはり、たくさん文字を載せるよりは、一目で分かるインパクトのあるものがポスターとしては効果があるのでしょう。

この他、火の用心祈願の納札札や火災予防運動メッセージ柄の宝くじ、タバコの外装などが展示されていました。(この企画展は3月12日で終了)

地下1階に行くと、引退した消防車、救急車の実物が展示されていました。     
消防車は、梯子車をはじめ、消防ポンプ車、初期に輸入されノーパンクタイヤを装備した歴史的なものなど多数がありました。     
救急車ですが、色が白色なのは法律で定められているとのことです。その白色の理由ですが、目立つことも理由の一つなのですが、最初は輸入されたものを使っており、その車体が白かったのでそのまま引き継がれたことも白色の要因ではないかということです。そして、車体横にはラインが入っていますが、このラインについては各自治体の条例で定めているものです。

東京では赤十字の車両と見分けがつくように車両は赤ラインですが、それ以外の地域では黄色や青色のものもあるとのことです。      
5階は、江戸の火消し展示です。江戸時代の消火風景のジオラマが中央にあり、その有様が模型で再現されています。そして装束の展示と続きますが、目を引いたのが「奥方火事装束」という派手な真っ赤な外套です。いかにも消防服のようなのですが、消火のための衣装ではなく、大名の奥方がこれを着て避難するためのもので、嫁入り道具の一つということです。

それから、数多くの纏(まとい)が展示されてありました。時代劇などで火消し時に纏を振り回す場面をみることがありますが、実際の使い方は違うということです。

当時の火消しとは、水を掛けるのが主ではなく、延焼をくい止めるため建物を壊していくものでした。そのためここまで壊すという目印に使ったもので、纏の下部は銛の先端のように金属で枝分かれして尖っており(名称・蛙又)、刺して固定するようになっています。

以上は展示のほんの一部で、まだまだ他に興味深いものがたくさんあるのですが、残念ながらアートラボの時間内では全部を回ることはできませんでしたので、ぜひ改めて、じっくりと見学してみたいと思いました。      

アートとは直接関係ないように思われる消防・防災という分野でも、それぞれ考えられたデザインが反映し、役割を担っていることを感じたもので、消防という分野から、デザインの役割というものを考えることのできた機会となりました。     

来月は埼玉県立近代美術館を予定しています。(柴ア)    
先生から何かを学んだり、イベントに参加したりという形では得られない「自分なりの学びと楽しみ」が見つけられる月1研究会ART LABO。
ぜひ、一度いらしてみてください♪ きっとそこには、楽しい仲間たちとの素敵な時間が待っていますよ♪
過去のART LABO一覧に戻る
PAGETOP