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2015年9月5日(土) 汐留アートスポット~パーク・ホテル東京&アド・ミュージアム
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パークホテル東京の宿泊G支配人の小野淳志さまよりご解説をいただきながら見学させていただきました。 「25階のエントランスでの展示は季節ごとに4回、その合間にも4回、計8回展示替えをしています。最近は高さ30mの壁に3台のプロジェクターで投射してプロジェクションマッピングを行っています」 「ホテルだけではできないので、ギャラリーやアートディレクターと組んでチームでやっています。公募もしており、2日に1件応募がある状況です」 |
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0.喫煙所/林晃久(マロンちゃん) |
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1.相撲/木村浩之 「2012年にアーティストルームをスタートしたときの記念すべき第1号がこちらの部屋です。最初の取材は新聞やテレビではなく『月刊相撲』でした」 「壁の絵だけでなく、立体物も窓際に置いてあります」 「今でも定期的にメンテナンスに来てくれます」 |
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2.妖怪/馬籠伸郎 「妖怪を英語に訳すとき少し悩みましたがモンスターでは違うのでそのままYOKAIにしました」 「天井にも隙間なく描いているのが特徴です。ミケランジェロみたい」 「製作期間はみなさんバラバラで、短い方は2週間、長い方は7カ月。1部屋作る間はその部屋は使えず、その部屋のベッドを置いておく部屋、アーティストが泊まる部屋と、3部屋つぶすことになります」 「名古屋に住んでいる方や教師をされている方などは土日だけ描くなど、時間は話し合って融通が利くようにしています。個展の予定があったらそのあとにするとか」 |
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3.野菜/中村 眞弥子 「不思議なことにアーティストルームは壊されたり汚されたりすることがほとんどないです」 「ベッドカバーやコーヒーカップも作家がデザインしたものをあわせています」 「同じ部屋に何度も泊まる方はあまりいませんが、アーティストルームをいろいろ楽しみたいと異なる部屋を指定して何度も来てくださるリピーターは多いです」 「カップルでこっちの部屋の方がいいと喧嘩になることもありました」 |
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4.城/水口和紀 制作中の水口さん 「江戸城のプラモデルや資料を集めて当時の姿を勉強しています」 「建造物の大半は明治初期に燃えてしまったので写真から、石垣は現存しているのでスケッチして描きました。着手してから数カ月経って、自分より後に制作を開始したアーティストにもう4人抜かれてます」 「入り口は城門をモチーフにしていて、異空間に入ったような感じを狙っている。全部がコントロールできるのがアーティストルームのいいところなので、タイムスリップを感じてほしい」 「窓際に面した部分だけ金箔を使って、耐久性を高めています。他の部分は真鍮箔です。貼る用の金箔には銀や銅が混ぜてあるのでお酒に浮かんでいる金箔とは違うものです」 「アーティストルームの制作を通じて、技術的なことだけでなく、制作のスタンスに対しても勉強になった。普段は描きたいものしか描いてないけどこの機会がなければこんなに日本建築をつきつめることもなかった」 |
●ホテルより
「うちの特徴としてアートをやると決めたので、どんなに時間がかかっても満足いくものを作ってもらいたい。作家さんの代表作にしてもらいたい」 「2016年には31階の全部屋がアーティストルームになります」 「来年3月には各部屋にギャラリーさんがブースを開いてもらうタイプのアートフェアをやろうと思っています。ホテルを使ったアートフェアは大阪やシンガポールなどではやっていますが(注:ART
OSAKAやSingapore Art Fair)、東京では最近は行われておらず久々の開催となります。」 アーティストルームの存在はまったく知らなかったので新鮮な体験でした。 普通アートを売りにするといっても「部屋に複製画を飾る」「ロビーに絵や彫刻を飾る」「壁紙や小物をアートなものにする」くらいだと思うので すが、そもそも発想からしてまったく違いました。 何ヶ月も住んで製作してもらうとは思わなかったです。まさかあれほど大掛かりに、時間も予算もかけてやっているとは…。 特に製作現場に入って作家さんにお話を伺えたのがよかったです。山内さんの人脈にはいつも感謝です。 |