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過去のギャラリー巡り
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2023年10月2日(土)中野エリア:洗練されたデザインの空間が作品鑑賞を特別な時間にさせる画廊

猛暑だった夏から、一瞬で秋らしい気候になりました。
今回は中野区内のギャラリーを巡りました。  

 山内さんの引率で新江古田駅から歩いていくと、コンクリートで造られたオシャレなビルのような建物が出現。

美容室かな?カフェかな?と思うようなそんな雰囲気の1・2階がギャラリー「nohako」でした。
内部はエッシャーを思わせるような階段が印象的な、一部吹抜けになっている面白い造りの空間でした。

さっそく、展示を拝見し、ギャラリストの捧氏と作家のミホリ氏のお二人からもお話を伺いました。  

捧氏曰く 「路面にあり、駅からも近いから立地的には入りやすい。展示は作家と共に展覧会を練り上げて作り、約1か月の会期のものを年に2回のみ。そして作家を皆さまに紹介していくというコンセプトで運営している。」とのこと。

ミホリ氏も、「展示まで、4年かけて作品を見てもらった。」と仰ってました。
江古田の地にギャラリーを開設したのは、捧氏の「生活の中にアートを置いておきたい」という思いから。

ミホリ氏は「建物が個性的なので、作品を選びやすく、展示を考えやすい。一方で、建物に負けない作品を作らなきゃいけないというプレッシャーもある。」とのこと。
空間が作家さんのモチベーションを左右するというのも、興味深いことだと感じました。  

主に、1980年代ごろから制作活動を続けている作家さんに焦点を当てて展示をしているという「nohako」。
捧氏曰く、「40年以上制作活動を続けている作家さんの作品の純度はとても高い」とのこと。続けているからこそ純化されるという部分にとても共感しました。
ミホリ氏は、「今回の作品は、時間と空間は対のものと考えており、とにかく作品を30分見てみてほしい。その時間の中で、色々なことが起こる。そんなことを感じてほしい」とのこと。

生きることの本質を作品で表現しているミホリ氏の作品をもっと見てみたいと感じました。  

 さて、次に向かったのは「土日画廊」。

住宅街の中に突如現れ、お家にお邪魔するような気分になります。入ってみるとさらに懐かしい感じのする間取りや空気感がしました。
ギャラリストの板橋氏から、色々なお話を伺いました。

「この地で1995年から画廊をはじめて28年目。会社員だったが、自分の生き方を考えた時に「画廊を始めよう」と思い、様々な経緯でスタート。

建物は両親のもので、かつて2階は下宿として貸していた。そこを画廊にするために色々な人に手伝ってもらって今のような感じになった。」とのことです。
「ギャラリストという仕事は、美術を介して人と関われる素晴らしい仕事だ」という板橋氏。

コンスタントに制作している作家の作品を紹介し、良い作品でも作家との考え方が合わなければお断りします、とのこと。

作家や作品、そして購入する人に対してのギャラリストとしての思いやりが感じられるお話でした。
今回拝見したのは井上まさじ氏の作品。
描いては削り…を繰り返しながら、表現をしていくという作風で、美術館に収蔵された作品もあるそう。

「井上氏は、札幌の地で生活をし、アイヌの人の生き方に影響を受け、自然と共に生きるということを意識しており、自然、宇宙の成り立ちを作品の制作を通して模索している。」と板橋氏。
とにかく作品に惚れ込み、2008年以降ほぼ毎年井上氏の展覧会を開催しているそうです。

更には、「作家とギャラリストと鑑賞者はみんな対等だと思っている。だから、ゆっくりと作品を観てほしい」と、おもてなしの心が嬉しい時間でした。  

 

 このイベントを通じて、一人でも多くの方が、さまざまなギャラリーへ気軽に足を運んでいただけるようになってほしいという願いを込めて、11月以降もまた「ふらっと入りにくいギャラリー」へ訪問してみたいと思います。

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