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イベント案内

過去のギャラリー巡り
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2023年9月2日(土)根津エリア「元・社員寮のワンフロアを再活用したアートスペース ほか   」

猛暑のためお休みした8月。2か月ぶりとなる今月は根津エリアです。
東京藝術大学のお膝元となるこのエリアには、美術にまつわるスポットが多く点在しています。

 最初に訪れたのは「The 5th Floor」。元社員寮だった建物の5階にあるスペースです。
アートマネージメントやキュレーションにこだわり、展示を通じて表現する「場」として運営されています。
キュレーターの岩田智哉さんよりお話を伺いました。「開催中の「ANNUAL BRAKE 2023」は、1年に1度開催する継続的なプロジェクトで、今回が3回目。

作家自身が道程を振り返ったり、それを展覧会としてどう見せるか?に焦点を当てているシリーズです。

今年は3人の作家がそれぞれ10日間、回顧展という形で展示いたします。」とのこと。

今回はその1本目「百瀬文:あたらしい肌」を見学しましたこの後、「中村壮志 もれ出づる一日」、「竹久直樹 ホームスチール」と続くとのことで、それもまた楽しみです。
2か所目は、日本画の画材材店「得應軒」。まさに東京藝術大学のお膝元ならではの老舗です。
「鉱物」などを砕いた岩絵具から、フリットと呼ばれるガラス質の素材を砕いた新岩の具まで、壁には多くの画材が並んでいました。お店の宮内琢哉さんと由紀子さんから、画材について色々なお話を伺いました。

絵の具の他、膠、筆、和紙…と日本画を描く際に必要な画材や道具は一通り扱っているとのこと。今回は顔料となる前の「鉱物」(塊)も拝見させていただき、貴重な機会に興奮の時間となりました。
「砕く際の粒の細かさでも色や質感が異なる」「粒の粗い細かいでグラム単位の値段は変わらないが粗い方が粒の量としては少ない」など、実際見てみないと分からないことも多かったです。

なによりも沢山の色が綺麗に並んでいるのを見るだけでも、とても癒される時間となりました。作品になる手前の、画材。色々と知りたくなるな、と感じる時間でした。
最後に伺ったのは、「Gallery美の舎」。言問通りに面した、ガラス張りのギャラリーです。路面店のギャラリーというのは、都内では数としては多くないと引率の山内さん。
ギャラリー美の舎は2017年に開廊。2018年より主に学生を対象としたコンペを学生選抜展を開催し、若い作家に積極的に発表の場を作っています。
開催中の「山谷菜月個展『amorous』」を見学いたしました。 作家の山谷さんは現在女子美術大学の4年生。昨年のコンペの奨励賞受賞者で今回ギャラリーのサポートで個展を開催しています。
展覧会名は「色っぽい、艶めかしい」という意味。作家自身がヒップホップ好きで、そのインスピレーションから、食物やジュエリーを主に描いていたそうです。その後、モチーフをアップにして描くことに関心を持ちり、今のような作風となったとのことです。

山内さんからは、17世紀のヴァニタス画を想起されるものがあるというコメントもありました。総じて「儚きもの」で画面が構成されているにも関わらず、確かな存在感のある魅力的な作品だと思いました。 その後、日がくれつつある根津駅で解散となりました。まだまだ暑いですが、夕暮れは早くなっており、季節が進んでいると感じます。

このイベントを通じて、一人でも多くの方が、さまざまなギャラリーへ気軽に足を運んでいただけるようになってほしいという願いを込めて、4月以降もまた「ふらっと入りにくいギャラリー」へ訪問してみたいと思います。

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