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過去のギャラリー巡り
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2023年6月3日(土)六本木エリア「看板のない建物のなかにある日本を代表する画廊 ほか 」

今月は、六本木3つのギャラリーにお邪魔しました。  
最初に訪問したのは複数のギャラリーが入居するビル
「complex665」の2階にある「小山登美夫ギャラリー六本木」。同廊は1996年設立で、六本木のスペースは2016年にオープンしました。現在は天王洲にもスペースがあります。

この日はギャラリースタッフの宮澤氏と企画展『小出ナオキ「イオニコニアン:生まれなかった王国の遺構」』の作家である小出氏よりお話を伺いました。

宮澤氏によれば、2つの空間を廊下でつなぐような展示空間について、「最初の空間の天井はアーチ形になっていて、お客様をお出迎えするような雰囲気にもなる。
2つの空間があることを活かして、ひとつの企画のなかでそれぞれ異なる雰囲気の展示空間を作ることができる。」と仰っていました。
取り扱い作家は国内外あわせて50名ほど。現在は日本のポップカルチャー的要素が入っているような作品や、美術の文脈で扱われていなかったようなジャンルを紹介していくことも大切にしているそうです。

小出氏は千葉在住。「イオニコニアンというテーマは、チバニアンに着想を得たもの。骨壺っぽいような形で作り続けていたらどんどん大きくなっていった。」とのこと。窯の種類によって仕上りが全然違うので、制作をしていて面白いと小出さん。近年では特に薪窯をよく使っているそうです。設計図はないとのこと。音楽で言えばジャズのような、作品と小出さんとの即興の重なりのような作品からは、瞬間的なエネルギーを感じました。
続いてお邪魔したのは、ピラミデビル内にある「KOTARO NUKAGA」。こちらは2018年に天王洲、そして2021年に六本木にオープン。取り扱い作家は約20名。新たな美術の文脈を生み出す作家であることを重視しているそうです。

多角形な壁面を持つ特徴的な空間については「四角い空間よりも展示にストーリーが作りやすいかも?」とギャラリストの飯田氏。  

見学した「Economy and Love」は、メキシコ出身のステファン・ブルッゲマンとスペイン生まれのオリオール・ヴィラノヴァの2人展。色数を押えた作風からは、メッセージ性の強さを感じました。

「経済と愛をいかに主観的に捉えるか?」というのが本展のテーマ。これらは目に見えにくいものですが、生きていく上で大切な2つの要素といえます。
作品と向き合う時間を持つことで、自分の中から湧き出る何かに出会えそうな作品でした。
最後に訪問した「Gallary MoMo Roppongi」は家族経営のギャラリー。ここでは「鴻池朋子 鴻池朋子のストラクチャー」を拝見し、ギャラリーの杉田氏かからお話を伺いました。

展示は先日開催された六本木アートナイトのメインアーティストだった鴻池氏の作品について、その裏側のような部分を見てもらうための内容とのこと。作家の頭の中を覗けるような、一緒に思考を深められるような、興味深い展示でした。
こちらのギャラリーはコレクターだったお父さまが若手作家を応援したいという気持ちから六本木でスタート。
現在は息子さんと娘さんとともに、六本木と両国の計2つのスペースを運営しています。

アットホームな雰囲気は、家族経営ならではかもしれません。
今回訪れた3つのギャラリーは、どちらも徒歩数分圏内に点在しており、20年程前からアートの街として著しく成長してきた六本木の充実ぶりを感じる時間となりました。

このイベントを通じて、一人でも多くの方が、さまざまなギャラリーへ気軽に足を運んでいただけるようになってほしいという願いを込めて、4月以降もまた「ふらっと入りにくいギャラリー」へ訪問してみたいと思います。

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