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過去のギャラリー巡り
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2023年5月13日(土)銀座エリア「手動ドアのエレベーターでアクセスする画廊 ほか

今回は小さな画廊が集まるビルとしても有名な「奥野ビル」で3つの画廊を訪問しました。

最初の画廊は地下と3階に展示スペースを持つ「巷房」です。同廊は1930年代前半に完成した奥野ビルの中で、最初にこのビルに入った画廊です。スタートは1991年。

今回は、地下と3階で同時開催中の「高橋敬子展―城壁の上に立つ少女―」を鑑賞し、ギャラリストの東崎氏と作家の高橋氏からお話を伺いました。
高橋氏曰く「城壁の上に立つ少女」とは「高いところから内側と外側を俯瞰できる=二つの世界を境界に立って同時に見ることのできる画家という意味もある」とのこと。

優しい色合いの中にある芯の強さのようなものが印象的な作品でした。
続いては5階の「Gallery Camellia」へ。ギャラリストの原田氏よりお話をお伺いました。

 「2006年よりスタートして17年目。元々はこの場所にあった事務所で働いていましたが、アートが好きで、あらためて社会人学生としてアートを勉強しながら、事務所の半分を画廊にするかたちでスタートしました。」と原田氏。

「好き」という気持ちをエネルギーにすることが上手な方だと感じました。
拝見した「田中麻記子 LEMOMON」の「LEMOMON」とは、フランス語で「瞬間」という単語とレモンをかけ合わせた造語。
「小さい作品に「瞬間」を閉じ込める」という思いも込められているそうです。フランスを感じる色使い、フォビスムやドイツの表現主義の流れを感じる愛らしい作品たちでした。
「古いビルがゆえ、床や柱の水平が保てていない部分もある。数字の水平より人間の目の水平を信じて展示している」と原田氏。細やかな優しさが、展示の空間にも表れているようでした。
最後に訪問したのは、同じ5階にある「Gallary Nayuta」さん。「Nayutaとは数字の単位『那由他』。
無量大数の手前の大きな数字。「目に見える空間の先に、さらにもっと大きな空間が広がっているという感覚やイメージを表現した」とギャラリストの佐藤氏。

開廊は2016年です。 「作家選びはお見合いと同じ。ここでの発表だけではなく、今後の事も考え、リスペクト出来る作家さんを選んでいる」と佐藤氏。丁寧な作家選びと運営は、ギャラリーの個性を左右するんだなと感じるお話でした。
こちらで拝見したのは「Mari Endoある日のこと」。ケニアでの嫁ぎ先の村での約1年間の暮らしが表現されたシリーズが展示されていました。  

「墨・朱・藍・白」という日本古来の色をアフリカ風にアレンジした版画はシンプルで力強く感じました。愛溢れる視点から生まれた作品は見ていて楽しくなります。実は遠藤氏には2017年にART TRANSITの勉強会でお話を伺ったことがありました!

再会が嬉しく、ますますのご活躍を願ってやみません。

解散後も参加者の方々は、冒険心くすぐるビルの中を色々回られていました。

 

このイベントを通じて、一人でも多くの方が、さまざまなギャラリーへ気軽に足を運んでいただけるようになってほしいという願いを込めて、4月以降もまた「ふらっと入りにくいギャラリー」へ訪問してみたいと思います。

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