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2022年2月5日(土)ディスカッション 「2022年テーマの中で個人的な関心所は?」


今日はART LABOメンバーの今年の個人テーマを紹介する日です。ART LABOとしての今年の活動テーマは「社会環境とアート」と前回までに決めていますが、その中でメンバーがどんなところに着目するのか興味津々です。  

今回、新型コロナの影響でZOOMでの開催になってしまいましたが、参加者は、ファシリテーターの山内舞子さん、ART TRANSIT事務局から川内美華さん、LABOメンバー12名の14名です。2名は欠席でしたが、今年の個人テーマはそれぞれ事前に送っていただいています。
今年、新たにLABOに入られた方も3人いらして、去年より大勢になり賑やかになりそうです。 
山内さんのリードで、それぞれ、今年のテーマを発表していただきます。

● ARさんのテーマは「成功する地方芸術祭と失敗する地方芸術祭」。
地域おこしとして今までに多くの芸術祭が開催されましたが、中には継続しない芸術祭もありました。評判の良かった芸術祭でも一回で終わってしまったものもありました。成功する芸術祭と失敗する芸術祭の差はどこにあるか、それがテーマです。
今年は、瀬戸内国際芸術祭、越後妻有大地の芸術祭、「あいちトリエンナーレ」改め「あいち2022」など、多くの地方芸術祭が計画されているので、その意味でもタイムリーなテーマです。
山内さんからは、昨年「アナザーエナジー展」を森美術館館長として開催された片岡真実さんが芸術監督をされる「あいち2022」に注目とコメントがありました。
●OUさんは、2016年の茨城県北芸術祭など良い芸術祭を観た体験もあり、この芸術祭のテーマにも興味があるとのこと。また環境とアートの関係を豊島に見たり、政治とアートの関係をChim↑Pomで考えたり、社会とアートの関係をボイスの社会彫刻で探ることも興味があると言われていました。今後の活動の中で論点が定まっていきそうです。

(zoomだと写真もいつも同じ感じになってしまうため、ちょっとお遊びで皆さま横向きでポーズ!)
●GOさんは、「社会環境とアート」を普通の生活の中のこととして考えたいので、大人が表現する子供、大人のイメージする子供、大人と子供の表現され方の違いなどをテーマにできないか、考えてみると話されました。
このテーマは、子供に向けた表現(例えば絵本)や、子供が行う表現など、発想を広げることも可能で、面白くなりそうです。
●SASさんは「ジェンダー問題を切り口に1950年代から60年代のアート」のテーマを、中嶋泉『アンチ・アクション―日本戦後絵画と女性画家』を参照しながら進めると言われています。中嶋泉は、アクション・ペインティングの時代の女性作家、草間彌生、田中敦子、福島秀子の画業たどり、戦後美術史をジェンダーの視点で論じています。
●SIさんは、「社会環境とアート」では個人テーマを決めにくいが、取り組みやすいものを探してみると話されました。 l  SUSさんは、「リサーチによるアート」をテーマとし、その手法を検証し、「制作意図が良ければ、良い作品なのか」を問い、具体的に興味を持てる作品を探してみると話されました。
その中で、リサーチによる事例として下道基行さんの作品《torii》の紹介、最近の動向として東京藝術大学でのシンポジウム「アート・リサーチ・プラクティス」の紹介がありました。
山内さんからは、港千尋さんが芸術監督をした「あいちトリエンナーレ2016 虹のキャラバンサライ」にはリサーチによる作品が多くあったので、参考になるかもしれないとコメントがありました。
●SUYさんのテーマは、ARさんのテーマと近い、「アートプロジェクト」です。
優れた成果を出すサステナブルなアートプロジェクトとは、あるべきアートプロジェクトとはが、関心事です。
越後妻有の芸術祭と開催地との関係など検討すべきことがあります。昨年の東京藝術大学「I Love Youプロジェクト」の展示「『SDGs×ARTs』展 十七の的の素には芸術がある」も参考になりそうです。
●TAKさんのテーマは、「地方芸術祭。続けられる芸術祭と続かない芸術祭。行政主体のアートプロジェクト」。ARさんのテーマと似ているのですが、ご欠席のためそれぞれの関心事のどこが違うのかを伺うことはできませんでした。
それでも、同じテーマであっても、それぞれどう異なったアプローチをするのかを見るのは面白そうというのが、この場の皆さんの意見でした。
●TADさんのテーマは「Chim↑Pom」です。今年は森美術館での展覧会もあるChim↑Pom。
TADさんはどうアプローチするのでしょう。
●HA さんは、ケアとアートや、精神障害者のアートなども考えたそうですが、最終的に「政治と現代アート」にされました。HAさんは、今回はちょっと苦手なテーマかもしれないと言いながらも、小崎哲哉の『現代アートを殺さないために: ソフトな恐怖政治と表現の自由』をガイドブックに進めると言われています。
マウリツィオ・カテランの黄金の便器の話とか面白そうです。
●YAさんのテーマは「オーストラリア アボジリニのアート」。アボジリニのアートには、いわゆる西洋美術とは異なる表現の美術とは異なる表現の面白さはもちろん、近代化の問題とか、観光との関係とか、様々な論点がありそうです。日本でも2008年に国立新美術館で「エミリー・ウングワレー展 −アボリジニが生んだ天才画家−」が開催されています。
●KO さんは、表現のしかたに関心を持たれていました。例えば、LGBT、差別、障害のような社会課題を扱うにしても、ヨコハマトリエンナーレの作品に見られる重い表現や、「アナザーエナジー展」の強い表現よりも、新章となった「SEX and the CITY」に見られるようなコミカルでユーモアのある柔らかい表現が好ましいと言われています。この観点からどのようにテーマが展開されるのでしょう、この先が楽しみです。
●SANさんは、プレゼンテーション資料を用意されて、今年のテーマを発表していただきました。テーマは「将来のアートが環境の変化によってどう変わるのか」です。技術革新、メタバース、NFT、ビジネス、メディアアート、デジタルなど、社会環境が変わっていくなかで、アートがどうなっていくのか、確かに気になります。
六本木の21_21 Design Sightで開催された「トランスレーションズ展 −『わかりあえなさ』をわかりあおう」のAI展示などにも参考になるものがありそうです。
●NA さんは、お子さんがアートに興味を持たれていることもあって、子供、アート、AI、教育、将来のアーティスト像に関心があり、今回のテーマは「学校教育とアート」にされました。学校教育により感性がどう変わるか、どんなアーティストが出現するかに関心を持たれています。  
個別テーマが出揃ったところで、今年のテーマに関連してフィールド・ワークの対象となりそうな展覧会などを皆さんに挙げていただきました。
その結果は、
●東京都現代美術館「MOTコレクション Journals 日々、記す vol.2」の中のフルクサスの展示、
 2021/11/13-2022/2/23但し現在新型コロナのため休室中
●21_21 DESIGN SIGHT「Futures In-Sight展」2021/12/21-2022/5/8。
●2020年に立川にオープンしたPLAY! MUSEUMで開催中の「どうぶつかいぎ展」2022/2/5-4/10。
 ドイツの作家エーリヒ・ケストナーの絵本《動物会議》の物語を8人のアーティストがリレーして繋ぐ企画。
●森美術館「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」2022/2/18-5/29
●森美術館「地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング」2022/6/29-11/6
●森美術館「六本木クロッシング2022展」2022/12/1-2023/3/26    

2月のART LABOは、盛りだくさんの内容でしたが、今年の月毎の書記も決めて、無事終わりました。LABO参加者の皆さんの、幅広い多様な関心を伺い、今年のART LABOも楽しくなりそうな予感がします。新型コロナも早く収まり思い切り活動できるようになると良いですね。来月は早速フィールドワークの予定です。    (鈴木重保)

先生から何かを学んだり、イベントに参加したりという形では得られない「自分なりの学びと楽しみ」が見つけられる月1研究会ART LABO。
ぜひ、一度いらしてみてください♪ きっとそこには、楽しい仲間たちとの素敵な時間が待っていますよ♪
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