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2022年1月8日(土)新春! 2021年の展覧会グランプリ決定!「2021年 よかった展覧会!」
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昨年はオンラインで始まりましたが、2022年は教室で開催することができました。直に顔を合わせてお話できるのは良いですね。ただ、一旦収まってきたようにみえたコロナがまた復活してきているので、今回が束の間の教室にならないよう願うところです。
1月のART LABOは恒例の「展覧会グランプリ」です。以下の6つについて、各人が2021年の自分のベストをあげていきました。教室参加できなかった方からはレポートを頂いています。 1 ベストミュージアム 行って良かった美術館です。展覧会はもちろん、美術館の施設、雰囲気、サービスなども含めた総合評価になります。 ・神奈川県立近代美術館葉山(ベーコン展、心地よさ) ・原美術館(閉館、感謝の意を込めて) ・三木美術館(姫路市、近代日本画、屋上から姫路城が望める、安らげた) ・千葉市美術館(タイガー立石展・福田美蘭展、良い企画・施設) ・角川武蔵野ミュージアム(鴻池朋子の壁面画「武蔵野皮トンビ」) ・長野県立美術館(リニューアル後、東山魁夷以外に地元の若手作家を展示) ・museum as it is(千葉県長生郡、工芸品) ・箱根ガラスの森美術館(ヴェネチアン・グラス、庭園の雰囲気) ・星の王子さまミュージアム(建物と展示物がよく合っている) ・地中美術館(あそこでしか得られない空間の贅沢さ) ・富山県美術館(東山魁夷展、充実した展示、素敵な環境) ・群馬県立舘林美術館(開放的で清々しい空間、心に残る展覧会企画) |
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2 印象に残った作品 2021年に観た作品で最も印象に残った作品です。 ・マーク・マンダースの作品(東京都現代美術館) 素材 が魅力的 ・藤井光《爆撃の記録》(丸木美術館) 存在することのインパクト。 ・保科宗玄「曳舟好日」の作品(Roonee247) 何気ない日常とドラマ、人様の生活を覗き見ている感覚が印象的 ・康夏奈《花寿波島の秘密》(東京都現代美術館) 立体から平面に描きとり、再度立体にする。作品の中に入り海中パノラマを体感。 ・バンクシー《Flower Thrower》(寺田倉庫) 作品の多くに宗教的な意味やメッセージがある。 ・三島喜美代《作品92-N》(森美術館) 陶に印刷物を転写。壊れやすい陶器に情報が印刷されており、情報の儚さを感じる。 ・ロニ・ホーン展の作品(ポーラ美術館、游庵) ・山城知佳子 リフレーミング展の映像作品(東京都写真美術館) ・寒川裕人《海底》(東京都現代美術館 ユージーン・スタジオ展) ・浅見貴子《変容のプロセス》《未然の決断》(中村屋サロン美術館ほか) 奥行きのある空間性と、風景をみている「こちら側」のありようも想像させる。 ・ディラン・カク(香港)の作品(奥能登国際芸術祭) ビニル風船の猿が駅のホームに腰掛けスマホを観ている。 ・レッサー・ユリィ《夜のポツダム広場》 (三菱一号館美術館、印象派・イスラエル博物館所蔵) 初めて知って目を惹きつけられた *日本ではあまり知られていない作家、イスラエル博物館のいち推しで来日。 公開されるや人気となり話題に。一時、絵葉書が売り切れました。 |
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3 ベストキュレーション 展覧会の中でその企画や構成が最もよかったものです。 ・アナザーエナジー展(森美術館)4票 --16名の女性作家、長年活動してきた重み ・美男におわす(埼玉県立近代美術館) --女性目線で構成←要確認 ・江之浦測候所 --自然と人口の融合/バランス、人を惹きつける施設 ・Everyday Life(東京都美術館ギャラリーA・C) --公募展で活躍する作家をピックアップ ・印象派–画家たちの友情物語(アーティゾン美術館) --人間関係を軸に構成、優れたコレクション ・りんご前線(弘前れんが倉庫美術館) ・バンクシー展(寺田倉庫)2票 ・フジタ 色彩への旅(ポーラ美術館) --フジタの旅と色彩の変遷、人となりが十分に理解できた ・福田美蘭展(千葉市美術館) --コロナ禍の社会動向も見据え、自館のコレクションを生かしつつ展示 ・キース・ヘリング展(札幌芸術の森美術館) --壁や床まで広がるキース作品がキースのテーマパークのようでワクワクした ・石岡瑛子展(東京都現代美術館) --色彩構成や展示方法がよかった ・はじめまして、かけじくです(板橋区立美術館) 4 図録・チラシ 自分が観たり貰ったり、買ったりした図録やチラシの中で最もよかったものです。 ・「福田美蘭展」で配布していた「にらみ」の図 ・「アナザーエナジー展」チラシ 2票 ・「アナザーエナジー展」図録 ・高島屋史料館配布資料「日本橋建築めぐり」 ・「ミニマル/コンセプチュアル展」(DIC川村記念美術館)チラシ ・「蜷川実花展」(山梨県立美術館)チラシ ・「庵野秀明展」図録(国立新美術館) ・「日々、記す Journals Vol.2展」(東京都現代美術館)チラシ ・「ヒグチユウコ展CIRCUS」チラシ ・「和田誠展」(東京オペラシティ アートギャラリー)図録 ・ART TRANSIT 2022 総合案内の送り状 |
5 行ってよかったギャラリー 行ったギャラリーでよかった、行った価値があったギャラリーです。 ・ヘルツアートラボ(中目黒) --去年、中目黒にオープンしたギャラリー。今後の展開に期待、小林大悟 ・gallery αM(馬喰町)--高橋大輔の変遷 ・何必館 ・京都現代美術館 ・Roonee 247(日本橋) --愛情あるスタッフの対応 2票 ・高島屋美術画廊(横浜) --「悉皆」現代作家達による高島屋コレクション作品へのオマージュ作品 ・ARTS ISOZAKI(水戸) --伊藤公象「ソラリスの海」 入口のシャッターの穴、屋上の展示 ・游庵(大林剛郎プライベートコレクション) ・CADAN有楽町 ・銀座SIXスタバの壁面の展示 ・タカ・イシイギャラリー(六本木) --渡部雄吉「張り込み日記」実際の捜査を撮影したことが衝撃的 ・gallery 一白(中目黒) --工芸中心、落ち着いた雰囲気 6 展覧会グランプリ タイトル通り、総合的に一番よかった展覧会です。 ・イサム・ノグチ展(東京都美術館) ・マークマンダース展(東京都現代美術館)2票 ・Walls & Bridges(東京都美術館) ・M式(アーティゾン美術館) ・ピピロッティ・リスト展(水戸芸術館) ・佐藤可士和展(国立新美術館) ・アナザー・エナジー展(森美術館)2票 ・福富太郎の眼(東京ステーションギャラリー) ・バンクシーって誰?展(寺田倉庫) ・富山市ガラス造形研究所創立30周年記念展(富山市ガラス美術館) ・福田美蘭展(千葉市美術館) ・Viva Video! 久保田成子展(東京都現代美術館) |
展覧会GPは、今年もそれぞれ思い入れのあるたくさんの展覧会が上がり、このコーナーだけで断トツのものはありませんでしたが、全体を振り返ると、アナザー・エナジー展が割と多く名前が出ていたのでまずはGP候補となりました。しかしこの展覧会については評価が分かれました。 このため全体の中で名前の多く上がった3つの展覧会から、出席者による決選投票で決定することにしました。 これらの展覧会に行っていない方もおられましたが、これまでの議論を聞いてどの展覧会に行きたいかということで参加しています。 結果です。2021GPは「福田美蘭展」(4票)になりました。 作家の視点の新しさ面白さ、意表をつく作品展示、また市美のキュレーションも含め行った人からの評価がとても高く高得票になったものと思います。 2位がアナザー・エナジー展(3票)でした。女性作家に焦点をあてたものでこれも大変評価が高い一方で、重すぎるという捉え方の人もおり好き嫌いが分かれたものです。 3位はマーク・マンダース展(1票)でした。物質的に圧倒されるような存在感に魅力と心地よさを感じたといったことで良い評価でした。 |
最後に出席の皆さんから、一年の振り返りをしてもらいましたが、どうしてもコロナ禍という環境は避けられず話題はそこからになりました。 「美術館に行くことが減った、遠出ができなかった」という声が多くありました。 その一方で、こうした制限下でも機会を捉えて美術館巡りをされている方も多くおられました。 ただ、予約制が多くなり、入館料も高くなっているなどやはり通常とは違う年でした。もし通常の年であったならGPも変わっていたかもしれません。来年のGPは通常モードで行えることを期待したいです。 次回のアートラボは、2022年のテーマ「社会環境とアート」について、各人の研究テーマの発表と各回の書記を決定します。また、このテーマにあった展覧会があれば紹介お願いします。 (柴崎) 先生から何かを学んだり、イベントに参加したりという形では得られない「自分なりの学びと楽しみ」が見つけられる月1研究会ART LABO。 ぜひ、一度いらしてみてください♪ きっとそこには、楽しい仲間たちとの素敵な時間が待っていますよ♪ |