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2021年11月6日(土)フィールドワーク+ディスカッション「カメラ博物館+2022年テーマ決め」
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11月にしては暖かい11月6日(土)、ART
LABO参加者は9名です。前半は半蔵門の日本カメラ博物館に行き、後半は四谷の教室に戻って来年のテーマを検討しました。
日本カメラ博物館では、運営委員の市川泰憲様に案内していただき、カメラの常設展示と特別展「カメラと動画 -動画126年の歴史-」を見学しました。 現在日本カメラ博物館を運営している日本カメラ財団の前身は、日本写真機検査協会で、検査を通じて日本のカメラ品質向上を図ることを目的としていましたが、1989年にカメラが輸出検査の対象外になったため、事業の重点を文化事業に移し、日本カメラ博物館、JCIIフォトサロン、JCIIライブラリーを開館したそうです。 |
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カメラの展示では、多くの歴史的カメラや時代を代表するカメラの中から、本当に大きく時代を変えたカメラを説明していただきました。 ・ 写真史を勉強すると最初に出てくるのが銀板写真のダゲレオタイプですが、ここにはジルー社が作った大きな木箱のようなジルー・ダゲレオタイプ・カメラが展示されています。これは世界で初めて市販されたカメラだそうです。 ・ 今でもファンが多い、ロールフィルムを使う小型カメラ、ライカ。その多くのモデルが展示されています。ここに展示されている「0型ライカ」は1923年に25台製造された試作機で、現存するものは少なく同型機が3億円で取引されたことがあるということです。ライカは、35mmの映画用フィルムを使い、映画の2コマを写真の一枚にすることで、写真として耐える画質を得ました。動画用のメディアと静止画用のメディアが、その出だしから深いつながりがあったというところに興味を惹かれます。 ・ 1981年に世界で最初に製品化されたデジタルカメラ、ソニーのマビカもあります。VGA規格の撮像素子からのデータを、専用の2インチ・フロッピー・ディスクに記録するものです。このデジタル技術が、今のスマートフォンのカメラまで繋がって、インスタグラムなどの新たな文化を作る元になったわけです。 |
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特別展の展示は動画や映画に関する機器の展示です。日本カメラ博物館ではスチール・カメラだけでなく動きのある映像に係る機材も収集してきたということです。そこには、スチールと動画は切っても切れないという認識があったようです。 ・ 今回の展示には、映画以前の画像を楽しむ装置、クロマトロープなどの展示から始まっています。 ・ この展示の大きな目玉は、126年前の1895年のリュミエールのシネマトグラフ、エジソンの投影式のキネトスコープです。映画の教科書にも出てくるこれらの機器の登場が以降の映画の始まりになります。リュミエールは映画のカメラの他にカラー写真技法も発明したと伺い、ここでも映画とスチールの親近性が感じます。 ・ 今では映画もデジタルが主流になりましたが、メカニカルな映画用カメラが全盛の頃も勿論ありました。その頃の専業メーカーのアリフレックスやボレックスなどのカメラのコレクションにも興味がつきません。 当時の映画カメラの、異なった焦点距離の3眼をターレット上に並べた様子が、現代のスマートフォンの複数のレンズを並べた姿に近いのも不思議です、技術はどこかで繋がっているようです。 |
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このように、写真に関わる機器と映画に関わる機器を見ていくと、相互に影響しながら発展してきたことがよく分かります。現在のデジタルの時代には、スマートフォンやデジカメ一台で、写真も動画も撮れるようになっていることを見ると、写真と動画の技術はさらに近いものになっていると言えるようです。 機器だけでなく、人材育成の場面でも、写真・映画を区別せずに学ぶ場も出てきているようだという話も伺いました。今後はアートも、写真や映画の概念を超えた映像概念で語るようになるのかもしれません。 日本カメラ博物館は、今回紹介してもらった展示以外に、スパイ用カメラのコレクション、カメラを切断し構造を見せる展示、報道写真家の沢田教一に関わる展示などがあり、もう一度ゆっくり見に来たいと感じさせられる場所でした。 日本カメラ博物館の見学の後、徒歩で四谷の教室まで戻り、来年のART LABOテーマを検討しました。最初に1人ずつ希望を聞きます、次に各自が持ってきたテーマ以外で興味が持てるものがあったかどうかを聞きました。その結果が以下の表です。 |
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参加者 来年の希望テーマ これもOKテーマ ------- A アフターコロナ ジェンダー B パロディ ジェンダー C LGBT、女性、障害、環境 何でも D 日本美術、デザイン オリジナリティ E アートとジェンダー イスラム F パターン、模様 ジェンダー G 版画、オリジナリティ アフターコロナ H NFT、バンクシー、メディアアート、 アートマーケット ジェンダー I 中国のアートシーン、ジェンダー アフターコロナ J 環境と社会、ランドアート、 ボイス、リレーショナルアート アフターコロナ |
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参加者の希望を見ると、大きく「アートの社会との関わり」と「オリジナリティ」分けられるようです。 来年の活動を充実したものにするために、次回までに、それぞれのテーマではどのようなフィールド・ワークが可能か、各自が調べてくることになりました。 次回の今年最終回の12月、今年のテーマ「写真と動画」の発表です。1人5分くらいで発表できるように準備をしてくることになりました。紙での発表の場合はコピーを12枚用意すること、映像で発表の場合は事前にデータを事務局に送ることも決まりました。今年のまとめの発表が楽しみです。 (筆記 鈴木 重保) 先生から何かを学んだり、イベントに参加したりという形では得られない「自分なりの学びと楽しみ」が見つけられる月1研究会ART LABO。 ぜひ、一度いらしてみてください♪ きっとそこには、楽しい仲間たちとの素敵な時間が待っていますよ♪ |