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2021年5月8日(土)レクチャー「さまざまな映像作品をみんなで観てみよう!」
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今月は、オンラインでの開催です。 前回(4月3日)の振り返りと、「さまざまな映像表現をみんなで見てみよう」というテーマで進められました。 1 前回の振り返り (1)東京都写真美術館図書室 前回は東京都写真美術館図書室で写真集の閲覧を行いましたが、コロナ禍のため図書室の入室については、手続きや人数制限などが厳格に行われていました。 また入室しても棚には本がなく、図書を指定しての閲覧が原則で平常時と別の姿と言えるものでしたが、この時は山内さんがあらかじめ本をピックアップしてくれたため、良い作品集を効率的に手に取ることができました。以下みなさんの感想のまとめです。 ・普段、美術館の図書館を利用することがあまりなかったので、今回とても良い経験になった。 ・面白い本を揃えてもらっていたのでよかったが、もう少しじっくりと見る時間があればよかった。 ・改めて個人で行ってみたい。 ・通常時のように自分で本を探せないのは残念だった。 (2) アメリカ橋ギャラリー 恵比寿駅近くにある小さなギャラリーで、シマダマサフミさんの写真作品鑑賞とアーティスト・トークです。 作品の詳細などは前回のレポートに譲りますが、参加の皆さんからの評価はとてもよいものでした。 ・写真とは思えない表現性に驚いた。 ・シマダさんがこのような作品を独学で制作したことに驚きを感じた。 ・シマダさんが質問にとても丁寧に答えてくれた。アーティストの貴重な話を聞けて有意義だった。 また、これらの話しを聞いて当日参加できなかったメンバーから ・行けなかったことが大変残念だった。 といった声があったように、たいへん楽しく興味深いギャラリー訪問でした。 |
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2 「さまざまな映像表現をみんなで見てみよう」 映像を表現媒体とする作家の例として、日本以外出身作家10名と日本の作家10名の動画作品を山内さんが選出、分類し、オンライン上で観賞しました。 (1)日本以外出身作家 ○実写 ・ナム・ジュン・パイク/韓国,アメリカ(ビデオアートの先駆者) ・ビル・ヴィオラ/アメリカ(ビデオアート) ・ペーター・フィッシュリ&ダヴィッド・ヴァイス/スイス(大掛かりなピタゴラスイッチ) ・ピピロッティ・リスト/スイス(身体、女性、自然、エコロジーなどをテーマ) ・マシュー・バーニー/アメリカ(刺激の強い表現が多いが、熱狂的なファンも多い) ・アピチャートポン・ウィーラセータクン/タイ(タイの一般の暮らしと文化) ・アンジェリカ・メシティ/オーストラリア(音を利用した人とのコミュニケーション) ○アニメ ・ウィリアム・ケントリッジ/南アフリカ(動くドローイング、オペラ「魔笛」の背景) ○その他 ・クシュシトフ・ウディチコ/ポーランド(曇りガラス越しの影、観客も作品の一部にも見えるが作品とは壁がある) ・クリスティーナ・ルカス/スペイン(空爆の図) (2)国内作家 ○実写 ・小瀬村真美(静物画のような動画) ・山城知佳子(「肉屋の女」、小ストーリー、ジェンダー、アミニズム的) ・さわひらき(「Whirl」) ・百瀬文(二人のおばあちゃん、身体と声) ○アニメ ・松本力(「SA YONA RA 」) ・石田尚志(手描き抽象、プロジェクションマッピング) ・束芋(「にっぽんの台所」) ・近藤聡乃(「てんとう虫のおとむらい」) ○その他 ・Kaz(バーコード) ・早川翔人(映像に鑑賞者が参加) |
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これらを観賞した皆さんの感想です。
・これだけ多くの作家の作品を一度に見ることがなかったので、貴重な機会であった。 ・ウィリアム・ケントリッジは、作品をオペラの背景画に使うところが斬新でよかった。 ・クリスティーナ・ルカスは戦争のことで地図を作っていたが、現状のコロナでも同じものが作れそう。 ・映像が珍しかった時代の作品と、現在のように当たり前になった時代のものとでは、作家の作品に対する考え方、捉え方などが違うように感じた。 ・映像作品と絵画などの展示作品を比べると、展示作品は鑑賞者がその場で何度でも見返すことができるが、映像ではどんどん流れ去って行くので、細かい観察や考えることが難しく、その間に置いて行かれてしまうことがある。 以上のように、映像系の作品の面白さを感じたのと同時に、展示作品の観賞とは違ったものであることも感じました。 今回は、オンラインの画面で作品を鑑賞したのですが、山内さんからは、作家は映像作品でも色々なことを計算して作っているので作品を実際に見に行って下さいとありました。 例えば上映環境や実際のスクリーンサイズ、また一人で見るのか、複数人で見るのかなども含め、オンライン上で見るのとは違うのでそういったことを感じて欲しいとのことでした。 |
また、映像作品と映画などとの違いについて質問がありましたが、これは、映画はまず第一に興行収入がなくてはならないのがアート作品との大きな違いであり、アーティストとデザイナーとの違いに近いかも知れない。 さらに映画には、映倫という審査制度があるが映像作品にはこれがないことも違う点であるとのことでした。 映像作品を見るときこうしたことを頭に置いておくことも観賞のポイントの一つとなるかもしれません。 今回、映像作品について二時間という制約の中、駆け足ではありましたがかなりの数の作品を見ることができました。 |
ただし感想にあったように流れていく映像であり、記憶にしっかりと残っているかと言われると個人的には断片的でしかないというのが正直なところです。改めて自分で見直してみたいと思います。
次回は、ギャラリー訪問の予定ですが、状況によっては研究テーマについての中間発表になります。 (筆記 柴崎) 先生から何かを学んだり、イベントに参加したりという形では得られない「自分なりの学びと楽しみ」が見つけられる月1研究会ART LABO。 ぜひ、一度いらしてみてください♪ きっとそこには、楽しい仲間たちとの素敵な時間が待っていますよ♪ |