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2021年2月6日(土)「レクチャー「写真・映像」+今後のスケジュールについて 」


先月と同様、今月もART LABOは四谷の部屋とZOOMを使ったハイブリッドで開催されました。参加者は新しい方2名を加えた11名です。

今回は今年のテーマ「写真と映像」で開催される最初のART LABOとなりましたので、コーディネーターをお願いしている山内さんに「写真と映像」の基礎をレクチャーしていただきました。
その後、参加メンバー人一人が今年取り組みたいテーマを発表しました。  

「写真と映像」レクチャー
今回のレクチャーは「写真」と「映像」の定義を見るところから始まりました。18世紀よりの写真と映像の歴史を知り、また写真作家や映像作家の制作方法を見ると、必ずしも我々が普通に思う「写真」や「映像」の定義が妥当でないことがわかります。カメラを使わず直接感光物質上に露光する写真もあります。感光物質を使わないピンホールカメラの原理を使った作品もあります。また映像作品でも静止したものもあります。
そこで山内さんからは、写真と映像を次の5つの着眼点から見る提案がありました。
●どのような原理で像が作られるか(記録、創出)
●どのように像が維持されるか(保存)
●どのように像が可視化されるか(現像、出力、投影)
●どのように像が共有されるか(一度に見られる人数)
●どのように流通するか(モノなのかイメージなのか)  
確かにこの5つの観点を使うと作品をうまく分類でき、理解が深まりそうです。  

次に、写真と映像の歴史のおさらいです。ニエプス、タルボットから始まる良く知られた歴史の他にも、17世紀の静止画を映し出す幻燈機、ナダールの気球による空中撮影、一人で覗き込む映像鑑賞装置キネトスコープなど、珍しい装置や出来事が紹介され興味津々です。  

技法に関しては、「ダゲレオダイプ」「カロタイプ」「湿式コロディオン法と鶏卵紙」「ゼラチン・シルバー法」と、大量生産が可能になり、耐久力が増していく歴史を確認していきます。またモホイ=ナジやマン・レイなどが行った、カメラを使わず印画紙に直接ものを置いて感光させる「フォトグラム」の解説もありました。  

最後に、現代日本の写真作家や映像作家、また写真や映像を使って作品を制作する作家が紹介されました。その中から何人か取り上げると、古典写真印画法である鶏卵紙を使う竹谷出、被爆樹木の影をフォトグラムで写し撮る浅見俊哉、東日本大震災の被災地を撮る畠山直哉、写真を含む多岐にわたるメディアによる展示を行う竹内公太、ピンホールの原理を使う鈴木のぞみ。

話を聞いていると、すぐにでも作品を見てみたくなる、作家の方々です。山内さんの、中身の詰まった、またさまざまな問題提起を含むレクチャーで、今年のテーマ「写真と映像」への関心が高まってきます。








ART LABO メンバーの今年のテーマ  
ART LABO参加の一人一人が、今年取り組みたいテーマや関心のある作家に関して、話をしました。

Aさん)同世代の写真家を取り上げて掘り下げてみたい。吉祥寺にある写真集専門の本屋ブックオブスキュラも面白そう。
Oさん)作家の制作の動機に興味がある。ありえない組み合わせの写真など驚くような作品を探したい。
SAさん)画家として写真に取り組み、フォトデッサンなどを行った瑛九をテーマとする。
SHさん)今年はドイツの写真家アンドレアス・グルスキーを取り上げてみたい。
SSさん)今まで勉強してこなかったメディア・アートに取り組んでみる。メディア・アートの作家であり、多摩美でメディア・アートを教えていた、三上晴子に関心がある。
SYさん)フォトグラムのような技法や、支持体の問題に、興味がある。
Tさん)写真をNECOと言われる手法でキャンバスにプリントする作品で知られる秋岡美帆を取り上げてみたい。
 Hさん)神奈川芸術劇場で見た富安由真のメディアを串刺しにする作品に感動した。今年は若い作家の作品を見たい。
Yさん)日本を代表する作家、杉本博司をテーマにする。小田原の江之浦測候所にも行きたい。
Kさん)今まで見ていなかったジャンルや作家を見たい。これからブレイクしそうな作家を探したい。
Tさん)フォトグラムや、浅見俊哉の制作方法など、さまざまな技法に興味がある。  

皆さん、今年行いたいことはかなり見えているようです。テーマも多様で、これからどのようにそれぞれのテーマが掘り下げられていくのか、どのような発見があるのか、期待が膨らんできます。

来月のART LABOは、緊急事態も収まってくることを期待して、フィールド・ワークとすることになりました。

                                          (筆記 鈴木重保)

先生から何かを学んだり、イベントに参加したりという形では得られない「自分なりの学びと楽しみ」が見つけられる月1研究会ART LABO。
ぜひ、一度いらしてみてください♪ きっとそこには、楽しい仲間たちとの素敵な時間が待っていますよ♪
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