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2020年11月7日(土)レクチャー「2020年仮まとめ」


11月のARTLABOは、四谷の教室にて今年のテーマと各個人テーマの仮まとめの回となり、12月の本発表の手前で簡単に現状をシェアしました。

2020年は、新型コロナウイルスのイロイロで、アートにまつわる環境も一変してしまいましたが、そんな中で開催された「横浜トリエンナーレ」には、皆さま足を運ばれたようです。 それから、個人発表にうつりました。各テーマや状況は発表順に次の通りです。
テーマ:ファーレ立川
ファーレ立川で開催された秋祭りのシンポジウムに参加した中で、改めてファーレ立川の開発秘話や維持コスト、維持方法、そして作品コンペでのお話など、かなり興味深い気づきがありました。

もともと立川は、古くは武蔵野という土地。その後は「立川基地」があったせいでどうしても「軍用基地」のイメージがまとわりついていたので、「アートの街」というイメージが、時代と共に良い印象・記憶になっていくのではないでしょうか??

テーマ:「彫刻・立体とはどんなもの?どうやって見ればよいの?」

今年は個人的にも社会的にも、色々あって具体的なテーマが絞り切れない中、アートについては、いつも平面を主体に考えてしまうため、立体作品をどうやって見ればいいのか?と思いつつ、もやもやしていました。

場所、技法、素材など様々な要素で考えても、なにか「これ」というものが見つかりませんでした。
次に、絵画と立体の違いについて考えてみていますが、作品の内側に奥行きを感じるのが絵画だとしたら、現実味があり具体的に外から認識できるのが彫刻や立体作品なのか?思考が内部に向かうか表面にとどまるかに違いがあるのかな?という今のところの見解です。








テーマ:「古代(ギリシャ・ローマ)の彫刻が後世に与えた影響」

昨年末に決めた今年のテーマは、確か2020はオリンピックだから・・という意味もあって「立体」というイメージがあったが、すっかりと事情は変わってしまいました。
そもそも立体についてですが、根源的な部分として、立体を作るとなった時に、やはり人間の体を模してみたいという願望は古代からあったのでは?と考えています。

この後、キリスト教が入ってくることにより、その権威が強大になり教会主体の時代になっていきます。残念ながら人間の自由な思考は奪われ、簡単に劣化していくのかな?という事実をこの時代に見えてしまうような気がします。
宗教は信じること、哲学はうたがう事。…そこから「なぜなに?」が生まれてくるとすれば、人間の思考の発展は遅れたといわざるを得ないのかもしれません。

皆さまとここから話が膨らみ、中世は時代としては1000年くらいあるのに、美術の場としてはあまり語られない時代でもあるという話題になりました。

17世紀のバロック画家?といったときに出てこないのがドイツ。画家不毛の地といわれていますが、哲学者は多く出てくきます。そこに、思想と造形の関係を探ってみるのも面白いのかも??というお話もでました。

 

また、哲学と宗教について、信じるとは「うたがうこと(考えること)をやめること」。宗教が発達すると哲学は発達しにくいというのかもしれない・・など、たくさんのディスカッションに発展してきました。

その他にも、宗教民俗学というキーワードも出てきて、「金枝篇」(ジェームス・フレイザー著)が紹介されました。呪術との関係について、もしかしたらそれは根源的な欲求、それはラスコーの壁画などにも言えることなのかもしれない・・・と、かなり深い考察になりました。

テーマ:「弥勒菩薩について」

このコロナ禍の状況の中で、とあるyoutubeの動画をきっかけに弥勒菩薩に関心を持ちました。

弥勒菩薩の表情やガンダーラ時代の文化の多様性、そこからアジアを東へと流転・変化を遂げた仏像たち、その中で生まれた半跏思惟像についてもうちょっと掘り下げてみたいという気持ちにもなりました。  

各国、各地域で発展してきた弥勒菩薩/半跏思惟像にはバラエティがものすごくあり、そのルーツや展開を調べていくのも大変でした。

東博/法隆寺宝物館の仏像の中にも半跏思惟像が結構ありました。まだお気に入りの仏像 は見つかっていないが、引き続き探してゆきたいと思っています。 仏像は製作地と原材料地が違っていたり、製作地と飾っているところが違っていたりと、ル ーツだけではなく色々と幅の広さがあるのも、面白い部分です。

 

テーマ:「立体視」について

立体作品を観るときの目の働きや仕組みについてを調べています。人間の目は2つあるが、全員両眼視をしているわけではなく、斜視などを持っている人は左右のどちらか1つの目で単眼視をしているらしくその場合「立体視」ができていない、など立体を把握するにも目の見え方により多少なり鑑賞した時の感覚が違うのでは?と感じています。

神経細胞のニューロンにも両眼性と単眼性があり、斜視などの場合は両眼性のニューロンが反応しないといわれているそうです。ただ訓練によってこの両眼視が獲得できるようにもなってきているとのことでした。

この後、皆さんで実際に両眼視、両眼視差がわかるような簡単な実験を行ったりしました。

実際に単眼視だった方が、訓練によって獲得した両眼視でモノを見ると、まるで「3D眼鏡」をかけたときのような、ものすごい立体感に驚くそうです。

 

テーマ:「太陽の塔」

1970年大阪万博のランドマークとなった太陽の塔。今まで一度行ってみたいと思っていたが、内部公開があるというきっかけがあり、ようやく赴くことができました。

幼少期はなんだこれ?と不思議に思っていたが、実際見てみたら、とにかく、見事な作品でした。このランドマークを岡本太郎が手掛けるまでの色々なことや、実際、岡本太郎がどのようなモチベーションでこの作品と向き合ったかなど、さまざまな経緯はあるとして、完成した作品を岡本氏は「神像」を作ったと感じたそうです。

他には、万博終了後に、移設の話もあったが、作品のクオリティ・金銭面から難しいという ことで、断念し、現在は鉄鋼館と太陽の塔のみ現地に残っており、万博記念館として活用してます。そして、現在は2020年、国の有形文化財となっています。 この作品は内部の彫刻も含め、人類の進歩と調和をキーワードとして作られているが、それだけではない感じもあり、古代からの日本の大切な信仰のようなものも作品の中に込められているように感じています。

2020年のテーマである「彫刻・立体作品」から、メンバーの関心の高いところを個人テーマとして進めてきた中で、その多様な関心所をシェアすることで、また新しい関心や興味が 広がる感じがとても面白く、個人テーマと個人テーマが合わさった時に、ふくよかな気づき が得られる心地よさがあるように感じます。 そして2021年に向けて、何かある種の共通のキーワードを見つけているような気がいたし ました。次回は総まとめと2021年のテーマを決める回ということで、これもまた楽しみに したいと思います。 
                                       (ART TRANSIT事務局)
  
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