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2020年6月6日(土)フィールドワーク 「ファーレ立川」


緊急事態宣言が解除されてもwith CORONAの生活はまだまだ続きそうですね。アートファンの皆さん同様、私たちラボのメンバーもしばらく展覧会ロスの日々を送っていました。
4月のラボは中止、5月はオンラインで年度の個人課題を決めたところですが、今月は待ちに待った「ファーレ立川」のフィールドワークです。リアル再会を喜びつつStay Homeの近況報告をしあうメンバー。久々にふれるホンモノの作品への期待に、みんなのウキウキした雰囲気がマスク越しに伝わって来ます。

ファーレ立川は、世界のトップアーティストによる現代美術コレクションを鑑賞できる「パブリックアートミュージアムタウン」です。オープン・エアで街歩きしながら立体作品を観る−まさにタイムリーな企画です。
はじめに、センタースクウェアにある女性総合センター・アイム1階に集合し、36か国92人のアーティストによる109作品の場所と解説がコンパクトに纏められたアートマップを見ながら【約1時間自由に個人鑑賞した後、それぞれのイチオシ作品を語りながら全員で鑑賞する】というフィールドワークの流れを確認しました。
では、全員で観たイチオシ作品を紹介しましょう。
メンバーが選んだイチオシ作品(紹介順)
★藤原吉志子 《ウサギとカメ》
https://www.faretart.jp/art/1306/
作家は「子どもがよじ登り、大人が腰掛けておしゃべりして、てっぺんがピカピカする、そんなほのぼのとして嬉しくなる彫刻」を目指しているそうです。
 ・アイロンに登る2匹。「ちょっと待って〜」みたいな会話が聞こえてきそう。
 ・家にも見える。
・いろんな物語が紡げそうな作品。


★ヴィト・アコンチ
無題(車止め・ベンチ)
https://www.faretart.jp/art/256/
アコンチは空間の意味をがらりと変えてしまう作家です。舗道そのものが車になっているこの作品は、車社会に対する疑問にもなっているそうです。こうして実際に座ることができます。
・実際の車道に面して奇妙なものがある。普通、パブリックアートは街に違和感なくとけ込むように存在することが多いが、これは違和感出しまくり。そこが面白い。
・椎名林檎の「罪と罰」のPVを思い出した!
・たしかにベンチとしても使える。
★大岩オスカール幸男
無題(舗装材)
https://www.faretart.jp/art/646/
立川にいたかもしれない三葉虫やゾウリムシのような大きな魚を舗道に浮かび上がらせました。たくさんの作品が通り一面に敷き詰められています。都市にユーモアのある風穴を開けようとするのがオスカール作品の特徴ですね。
 ・以前、これを踏んで毎日のように通勤していたが、調べてみたら大岩作品だった!
 ・顔がカワイイ。
 ・ゾウリムシにも魚の干物にも見える。


★ドナルド・ジャッド
無題(駐車場の壁彫刻)
https://www.faretart.jp/art/242/
ジャッドは物質のもつ本質を極限までつきつめようとした作家です。鉄のワクで区切られた立方体の空間が横に並び、奥には赤、青、黄の色が塗られています。シンプルなかたちが美しいこの作品は、彼の遺作となりました。
・近づいて観ると、色が見えるところ/見えないところがあってもどかしく感じたり、色のパターンの法則性を探したくなったり、観る者を刺激する作品。
・モンドリアンカラー。ブギウギ!
★ホセイン・ヴァラマネシュ
 《きみはただここにすわっていて。ぼくが見張っていてあげるから》(車止め)
https://www.faretart.jp/art/562/
ヴァラマネシュは日常の空間の中に、思いもかけない空間をつくりあげます。この作品は自分が使っている椅子と本をブロンズの車止めにし、自分の影を舗道にすりこみました。
・部屋がそのまま車止めになった感じ。街中に突然出現した異空間。
・ちょっと怖い感じがする。
・視覚的に感ずる椅子の質感は木製。触ってみないとわからないくらい。


★マリーナ・アブラモヴィッチ
《黒い竜−家族用》
https://www.faretart.jp/art/570/
アブラモヴィッチは人間の身体や動作に着目し、新しい知覚を呼び起こそうとします。これはブラジル産の水晶に頭、胸、性器をあて、そのエネルギーを体感しつつ瞑想するという作品です。
・はじめ素通りしてしまったほど、さりげないかたち。視覚的には強い主張を感じなかったが、何か気になった。
 ・「バラ色の水晶の枕に体を押しつけ、じっと待つこと。」というパネルが添えられている。水晶⇒ヒーリング、体に良さそうな感じがする。
・「接触」という、今の状況で制限されている私たちの大切な知覚について考えさせられる。
★レベッカ・ホーン
無題(植栽内オブジェ)
https://www.faretart.jp/art/8/
レベッカ・ホーンは、ナチスの強制収容所など既存のものを使って、場の記憶を作品にする作家です。この作品では、松・金属棒・じょうごにより大地と水と植物を自然のエネルギーの循環を表現しています。
・松の枝に作品を結びつけるのに革を使っている。日本的な素材とヨーロッパ的な技法/古典的なイメージと現代的な造形との対比が面白い。
・松の枝と金属棒が風で揺れる。環境的な「できごと」をはらんでいる。


★箕原 真
《人の球による空間ゲート》(車止め)
https://www.faretart.jp/art/1197/
通常は歩行者専用のエリアに緊急車輌が出入りできるような、移動可能な車止めです。球体の被膜を立体と壁で表現した作品で、作家は「空間のモデル」と呼んでいるそうです。
・歩道に影が描かれていて、観る者に球体を想像させる。物質とイメージが反転する作品。
・先のホセイン・ヴァラマネシュの作品の後に観ることで影に注目できた。
・スケボーの練習台にされそう!車止めとしてもちゃんと機能している。
★ウルリッヒ・リュックリーム
無題(植栽内オブジェ)
https://www.faretart.jp/art/1009/
リュックリームは形態と性質をそのまま活かしながら、石がもつやわらかさや透明感を表現する作家です。通常は切断した石をつなぎませんが、安全上、上下の石を鉄でつながざるを得なかったとのことです。
・ここではない他の場所で見かけたら作品と思わない。それくらい街にとけ込んでいる(先のヴィト・アコンチ作品とは対極)が、美術館の中にあれば、むしろオーソドックスな作品として成立すると思う。そこから「アートとは何か」という問いが沸き上がって来る。
・部分的にメンテナンスされている感じがする。経年で表情が変わってゆく石という素材をそのまま使っていて、パブリックアートと作品ケアという問題にも問いが広がってゆく。


★リチャード・ウィルソン
無題(共同溝入口、排気口)
https://www.faretart.jp/art/814/
上部がスパッと切れた13階段。これは地下の機械室の排気口で、作品の下には機械室に降りていくホンモノの階段があるそうです。英国式階段に似せてアルミニウムの鋳造でつくられています。
・13階段を連想させるけど、なぜか綺麗にデザインされたイギリス風手摺がついていて、何かシニカル。
・ポジティブな用をなすものか、無用のトマソン的なものなのか「どちらだろう?」という疑問を誘う。
・やはりハッピーな感じはしない。禍々しいものを感ずる。
以上、それぞれが選んだ10作品を全員で鑑賞し、語り合いました。そして最後はこの作品の前で記念撮影。

★サンデー・ジャック・アクパン
無題(オブジェ)
https://www.faretart.jp/art/254/
アクパンが住む村では、村人が自分のいちばん素晴らしい姿の肖像を彼に注文しに来ます。それはやがて注文主が死んだときの墓標になるとか。この作品はナイジェリアのさまざまな部族の酋長が勢揃いしたイメージらしいです。

名残り惜しいですが、後ろ髪を引かれながらここで解散。久しぶりにまとまってアートを楽しんだ、とても充実した2時間でした。次のフィールドワークに期待が高まります!  
参考:ファーレ立川公式ホームページ https://www.faretart.jp/                                                  (YS記)
 
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