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2019年10月5日(土)フィールドワーク 埼玉県立近代美術館「DECODE/出来事と記録−ポスト工業化社会の美術 」展


10月に入ったというのに夏のような暑さの日、埼玉県立近代美術館を訪れました。
展覧会のテーマは「DECODE/出来事と記録―ポスト工業化社会の美術」。「もの派」の活動が主な展示内容となっています。「もの派」の作品は現物を残していない場合がほとんどのため、写真や映像、ドローイングなど資料中心に構成されています。

   「もの派」の出発点として高く評価される《位相―大地》の制作風景映像を見ると、まるで土木工事のようです。緻密な計画のもとに作られたことがよくわかります。今年亡くなった作者の関根伸夫の個人的な資料も多く並べられていました。

 「もの派」の他の作家たちの作品も展示されていますが、作品よりも資料のほうに重きをおいた展覧会です。
また、現在活躍中の作家による写真作品も多くを占めています。おびただしい量の写真が吊るされ、貼られ、床に敷かれた部屋では、訪れた人は写真を踏んで歩くようになっています。これにはどういう意図があるのでしょうか?
全体的に難解な印象です。特にポスト工業化社会と「もの派」との関連が容易には結び付かない気がしました。

プレスリリースによると「もの派」の起点となった1968年から現在に至る50年を「ポスト工業化社会の時代」と捉え、その幕開けに鋭敏に反応し、その感性を物質によって表明した美術動向が「もの派」とあります。

大胆な捉え方で、そこを理解するにはさらなる知識や情報量が必要であるように思えました。

1時間ほど鑑賞した後、集まって感想を話し合いましたが、やはり、ポスト工業化社会と「もの派」との結びつきがすんなりと腑に落ちるところまでいかないメンバーが多いようでした。


常設の彫刻作品の中に、舟越保武の《ダミアン神父像》があります。
山内先生に解説していただいたのですが、この作品は一度撤去され、応接室に置かれていた時期があったそうです。

ダミアン神父はハンセン病患者に尽くした方で、自らもハンセン病に倒れました。彫刻には病に侵された晩年の姿が表現されており、あるハンセン病患者から展示をやめてほしいと言われたそうなのです。
その後話し合いの末、再び展示されることになりました。 昨今の時事問題にも関連して大変考えさせられる作品と言えるでしょう。  

埼玉県立近代美術館の次回企画展は、「ニューヨーク・アートシーン」です。こちらもまた見逃せません。足を運ぶのを楽しみにしたいと思います。     (文責 安田)
先生から何かを学んだり、イベントに参加したりという形では得られない「自分なりの学びと楽しみ」が見つけられる月1研究会ART LABO。
ぜひ、一度いらしてみてください♪ きっとそこには、楽しい仲間たちとの素敵な時間が待っていますよ♪
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