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2018年10月6日(土) フィールドワーク<山種美術館+α>
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10月のART
LABOのメインは山種美術館。日本美術院創立120年記念の企画展「日本画の挑戦者たち−大観・春草・古径・御舟−」を鑑賞しました。その後山内さんおススメのオシャレな家具ショールームarflexと写真集カフェ「めぐたま」にも足を延ばし、遠く明治に想いを馳せながらリッチでオイシイひとときを過ごしました。
まずは山種美術館エントランスに集合。当館は国内外屈指の速水御舟コレクションをはじめとして明治から現代までの日本画を中心に約1,800のコレクションを有する、言わずと知れた日本美術のメッカです。 全員が揃ったところで写真を・・と思ったら館のシンボルともいえる加山又造の陶板壁画《千羽鶴》(2.5m×4m 2面)が撮影不可なのでいつもの集合写真は封印。代わりに竹内栖鳳 ≪斑猫≫の床面記念撮影ポイントで猫ちゃんの肉球と一緒に「足だけ集合写真」を撮っていざ展示室へ。。 |
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本展は近代以降の日本画壇の中にあって常に先導的な役割を果たしてきた日本美術院の軌跡をたどる展覧会です。 わずか50点とコンパクトな構成ながら、創立に参加した横山大観と菱田春草、次世代の小林古径、速水御舟を中心に、片岡球子、松尾敏男、平山郁夫、田渕俊夫など戦後の作家の画業を代表する特徴的な作品が3章仕立てで展示され、明確なコンテクストに貫かれています。 そのあたりも伺いたかったのですが、今回は残念ながら学芸スタッフのお話はうかがえませんでした。その分、メンバーがそれぞれの視点で鑑賞し、「印象に残った絵」「気づいたこと」をシェアすることとなり、かえってART LABOならではの自由な面白さがあったと思います。 |
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*横山大観《燕山の巻》(1910年)が良かった。大観は描き方がやや乱暴な印象があったが、これはしっかり描いている。彼はポール・マッカートニーみたいにいろんなことができた人だったと再認識した。
*やはり大観の《喜撰山》(1919年)もいい。造形といい鮮烈な緑の色彩といい、「富士」よりこちらの方がすごいと思う。 *下村観山《不動明王》(1904年頃)は一生懸命西洋の肉体表現に挑んでるけど、凄く違和感がある。「日本画」と思わなければこれはこれで面白い表現なのだろうけど。。 *朦朧体。新たな表現に取り組んでいることはわかる。でも、不自然で落ち着かない。 *そう。日本画って何だろう。中世の水墨画のモチーフ、朦朧体、琳派風・・いろんな試みが見られるけど、戦後になると「日本画」と言われなければそう思えない作品になってくる。ついに完成しないまま、日本画が収束(消滅)してゆく過程を見ているような気がした。 *富取風堂《もみぢづくし》(1934年)は植物図鑑のような構図で、キャプションまで描きこんだ説明的な絵。これを生活の中の「装飾絵画」として成立させようとした。このギャップがすごいインパクト。 |
*奥村土牛《城》の表現に抽象絵画的なものを感じた。彼はセザンヌに影響を受けていたらしい。「本来の日本画」というものがあるのかどうかわからないが、そもそも西洋美術がもたらされた後、明治期に生まれた「日本画」自体、純粋に日本オリジナルの美術とは言えないかも。
*でも日本画をとても美しく感ずる。それはやはり古くから使ってきた画材によるところが大きいと思う。 *速水御舟が素晴らしい。早世したが、短い活動の中で画風をどんどん変えている。もう少し長生きしたら戦後美術への橋渡しとしてどんな作品を描いただろうか。 *今年度の我々のテーマは「明治」だが、西洋美術がどこから入って来たかという線引きは実は曖昧。「やまと絵」と明治以降の「日本画」との間はどう繋がっているのだろうか。 *その点では狩野芳崖の《芙蓉白鷺》(1872年)はやまと絵であり、陰影を取り込んだ技法を取り入れてもいる。小田野直武に近いものも感ずる。 *明治期において美術界で一種の情報操作が行われたといわれている。天心・大観は文人画を凋落させて自分たちの画風を最上のものとした。それが今に至る「日本画」のイメージを作ったのではいだろうか。 *洋画では同様のことを黒田清輝がやっているね。 |
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等々、短時間のうちに様々な意見が出ました。専門家にレクチャーしていただき質疑応答するのもいいですが、今回は独自の視点で鑑賞した意見をシェアすることで、それぞれにいろいろな気づきがあったと思います。 もはや日本画/西洋画といった区別が殆ど意味をなさなくなった現代の日本美術。その源流は、常に新たな日本画を創出し続けて来た日本美術院の「挑戦者たち」のあくなき探求心であったことを改めて感じた展覧会でした。 さて、どっぷりと日本美術に浸った後、美術館を出るとそこはハイソな広尾台。次に目指すのはarflex。山種美術館から恵比寿方面に少し下がった恵比寿プライムスクェアにあります。インテリアメーカー・アルフレックスの本店で、「暮らしを体感できる」ショールームです。 |
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書き割りのような、いわゆる「家具屋さんのショールーム」とは全く違う、そこに生活してみたくなるような、タメ息の出るようなステキな空間です。 家具や照明はもちろん、ごく自然に二川幸夫さんや石内都さんの写真作品も展示(販売)されています。 美術館で歩き疲れた一行は石内さんの写真を背に深々とソファにくつろいで「キモチイ〜!もう立ち上がれない。。」心地よいはずです。 価格表を見てビックリ。ソファの値段は320万円! |
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arflexでちょっとリッチな気分に浸りお腹もすいたところで、写真集カフェ「めぐたま」に。 写真評論家の飯沢耕太郎さん、おかどめぐみこさん(料理担当)、ときたまさん(イベント担当)によるユニークなカフェです。 木のぬくもりに包まれた柱のない箱型の空間は、建築家の村井正さんが手掛けたエアロハウスという新工法だそうです。 壁面は全て飯沢さん所蔵の写真集5000冊が並ぶライブラリーになっていて、見ているだけでワクワクしてきます。 写真集は著者別・年代別に整理され、取り出す際は、目印の板を入れてきちんと元に戻すのがルールとのこと。 |
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季節の一汁三菜ランチ、マグロの泣きご飯、ソフトクリーム・・思い思いに注文。 好みの写真集を繰りながら写真談義をしたり、山種美術館でのディスカッションの続きをしたり、美味いもの情報を交換したり、ランチョンLABOが盛り上がったのは言うまでもありません。 ちゃっかり昼からビールをあおるオジサンも約2名。 美味しいランチ・ディナーはもちろん、飯沢さんプロデュースの「写真集を語りつくす」連続トークイベントをはじめ、食と健康、アートに関するさまざまなコミュニケーション企画が魅力です。 |
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皆さんも山種美術館に行ったおりに是非チェックしてみてください。 http://megutama.com/ *ところで「マグロの泣きご飯」って何? 食べればわかります。けっこう辛めのワサビ醤油の漬け丼になっていて、美味い!⇒キター。鼻にツ〜ン! |
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先生から何かを学んだり、イベントに参加したりという形では得られない「自分なりの学びと楽しみ」が見つけられる月1研究会ART
LABO。 ぜひ、一度来てみてください♪ きっとそこには、楽しい仲間たちとの素敵な時間が待っていますよ♪ |