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2018年5月12日（土） フィールドワーク 三の丸尚蔵館＋東京国立近代美術館工芸館
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ART LABOメンバー間の情報共有ツールとしてのメーリング・リストも立ち上がり、ART
LABOの今年のテーマ「明治」に対する、各メンバーの取り組みの決意表明も一巡し、ART LABOも盛り上がってきました。 そんな中、5月12日のアートラボは、明治にかかわる展覧会を二つ見学に行きました。一つは皇居東御苑にある三の丸尚蔵館で開催されている「明治の御慶事－ 皇室の近代事始めとその歩み」、もう一つは東京国立近代美術館工芸館の「工芸館開館40周年記念 名工の明治」です。 今回は五月の連休明けということもあってか、参加者はファシリテータの山内さん、川内さんに、メンバー3人と少なめでしたが、良い天気のなか東御苑内散策もでき、気持ちよく鑑賞することができました。 |
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三の丸尚蔵館の今回の展覧会は、明治の皇室で行われた儀式、祭典に関する美術品や資料を紹介することを目的としたもので、見学に行った日は、3期に分かれるなかの前期の展示でした。 工芸作品としては、《色絵金彩薔薇に鸚哥図花瓶》、《色絵金彩秋草に鶏図花瓶》、加納夏雄・海野勝珉の《岩上鶺鴒置物》など、明治期らしい精緻な作品が展示されています。 日本的なものと西洋的なものが融合していく明治という時代ならではの展示としては、大婚25年式典で使われたローブ・デコルテがありました。西洋の女性用礼服に日本風の緻密な模様が散りばめられています。 絵画では、天皇が即位後初めて行う収穫祭である大嘗祭や、明治憲法発布などの大きな国家的な行事が、如何に絵画として表現されたかが気になります。 床次正精の《憲法発布式図》は、洋画の伝統がない中で、大きな空間に大勢の人を配置するテーマに取り組んだ結果、観る人にプリミティブな印象を与えますが、その時代を感じさせる絵になっています。床次正精は、幼い頃狩野派に学び、明治維新期に検事・判事となり、後に洋画家になったという、明治人らしい画家です。 |
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三の丸尚蔵館の後は、百人番所の前を通り、大きな石を積んだ石垣に感心し、丸の内のビル群を遠くに望みながら、北桔橋門を出て、東京国立近代美術館工芸館へ移動です。 工芸館の展示は、4章からなっていて、1章が「明治の技の最高峰 ― 帝室技芸員」、2章が「明治の名工 ― 鈴木長吉と《十二の鷹》、第3章が「技の展開と新風」、第4章が「技を護る・受け継ぐ ― 戦後の工芸保護政策と、今日の技と表現」です。 章のタイトルから想像がつくとおり、明治時代の作品が展示してあるのは、第1章と第2章です。第1章では、超絶技巧の初代宮川香山の高浮彫作品《鳩桜花図高浮彫花瓶》、その宮川が帝室技芸員となった後にアールヌーヴォーの影響を受けて制作した《色入菖蒲図花瓶》、編んだ籠の様子が繊細でちょっと触ると壊れそうな初代永澤永信の《白磁籠目花鳥貼付飾壺》などの陶磁器作品に目を奪われます。 |
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第2章には、帝室技芸員の鈴木長吉が制作した、青銅の地に金、銀、赤銅、朧銀の象嵌がなされた12羽の鷹が、鷹の止まり木に使用される装飾布と共に、一室全体を占める形で展示されています。この鷹は、明治の美術商林忠正により1893年シカゴ・コロンブス万博に出品するため西洋人好みのものとして考案・監修されたもので、万博では高い評価を得た作品だそうです。
今回、2つの展覧会を見学してみると、明治時代の美術の理解を深めるためには、美術とそれを取り巻く様々な制度や環境に関しての理解も必要だとわかります。どのような作品が皇室に献上され、買い上げられたのか。現在の人間国宝に相当する帝室技術員の栄誉はどのような人に与えられたのか。明治時代に国際的に活躍した美術商はどのような役割を果たしたのか。19世紀より盛んに開催された万国博覧会は美術品へどのような影響を与えたのか。 これらは、ART LABOの中でも研究のテーマになっていくと考えられます。 |
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次回6月のART
LABOは、野間記念館「日本近代の洋画展」に行く予定でしたが、展覧会は個人でも見られるということで、各人の今年のテーマを四谷の教室で確認することになりました。今後のART
LABOの展開が楽しみです。 先生から何かを学んだり、イベントに参加したりという形では得られない「自分なりの学びと楽しみ」が見つけられる月1研究会ART LABO。 ぜひ、一度来てみてください♪ きっとそこには、楽しい仲間たちとの素敵な時間が待っていますよ♪ |
