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2017年7月1日(土) アフリカ・アジア・アート情報共有とミヅマアートギャラリー訪問


「アフリカ・アジア・アート情報共有とミヅマアートギャラリー訪問」

7月の会合は2部構成です。第1部は、四谷の教室で、今年のテーマであるアフリカ・アジアのアートに関する情報共有。これを1時間ほどで終わらせた後、第2部は場所を市ヶ谷と飯田橋のあいだにあるミヅマアートギャラリーに移して、開催中の「未来の痕跡 — 東南アジアの現代美術」展を見学します。

第1部の情報共有の内容は次のようなものでした。先月のART LABOに出席されなかったメンバーために、先月議事録をとっていただいたYさんより、1998年に「アフリカ・アフリカ」のキュレーションをされたアート・ディレクター清水敏男様の事務所訪問で伺った内容を報告していただきました(内容は先月のレポート参照)。  

次にファシリテータの山内舞子さんからアフリカ・アジア関連情報の紹介です。
 ・「マイケル・ソイ展」、2017/7/20-2017/7/31、Bunkamura Box Gallery。マイケル・ソイはアフリカ女性をグラフィカルなタッチで描いた作品などで、注目を浴びています。
 ・「サンシャワー 東南アジアの現代美術展」、2017/7/5-2017/10/23、国立新美術館と森美術館で2館同時開催。1980年代以降の東南アジア美術を集めた最大規模の展覧会で、ART LABOでも見学予定です。
・すでに終了していますが「N・S・ハルシャ展 チャーミングな旅」、2017/2/4-2017/6/11、森美術館。インドに根ざしながら国際的な活躍をしているハルシャの芸術の多様性に注目です。
・東京国立博物館「平成28年度新収品展」、2017/6/27-2017/7/17、特別1室、特別2室。18世紀・19世紀を主としたインド絵画が寄贈されました。
 ・東京国立博物館には、本館、東洋館、法隆寺宝物館に、日本、東洋、西洋の交流を考える上で興味深い収蔵品の展示が多くあります。アートの地域間の関係や相互作用に興味がある方には改めてお勧めです。例えば、ヨーロッパ向けのインド更紗、奈良三彩にも似るイラン出土の三彩鉢があります。  

 第2部は、市谷田町にあるミヅマアートギャラリーへ移動。ここは会田誠の個展などでもおなじみですが、今回は「未来の痕跡 — 東南アジアの現代美術」(2017/6/21-2017/7/15)を見学します。  
会場では、今回の展覧会に関わられた松田様、アナベル様に説明をお願いしました。今回の展覧会のキュレーションはヘルマント・ソエルジャント氏で、インドネシアの3人と1グループ、フィリピンの1人、シンガポールの1人の最新作が展示されています。「素材への大胆な試み」「常識への懐疑」「伝統美術と現在のポップカルチャーの融合」が共通したテーマとなっています。  この展覧会のパンフレットを参照しながら、作品を見ていくと次のようになります。


・インドネシアのアーティストデュオ、インディゲリラ(ミコ・バウォノとサンティ・アリエスティオワンティ)の《Living Immensely》。
現代の世界的ブランド・ロゴがついた箱から伝統的影絵芝居ワヤンのイメージが出現する、真鍮の作品。ジョグジャカルタの銀細工師とのコラボレーションにより制作された作品。
・インドネシア、ヘリ・ドノ《The Culture of Knives that Transform into Flowers》《The Dance of the Angels within the Cosmic Balance》。
現代社会への批判とワヤンの神話的イメージを融合させた、ユーモラスな表現の作品。
・インドネシア、アンキ・プルバンドノ《Sorry No Pictures Today》。
地元の蚤の市で見つけた、各国から集まった古い写真の、裏に書いてある文字をスキャンして作った作品。そこには、写真を撮った年月、写っている人物の名前、なかにはこの人は嫌いだったなどと書かれているものもあります。
・インドネシア、アガン・ハラハップ《When I Have to Fight Myself》。
映画ロッキーのモデルとなったロッキー・マルシアノと、ロッキー役のシルヴェスター・スタローンが闘っているイメージを、デジタル技法により本当にあったことのように作り上げた作品。
・フィリピン、マーク・フスティニアーニ《Debris》。
ピラミッド型の屋根の下を覗き込むと、鏡の反射を利用して、宇宙空間のような無限の奥行きが見えるインスタレーション。
・シンガポール、ロバート・ザオ・レンフイ《Kings》。白いゴキブリという特定種を発見するために、鳥取砂丘で行われた学術調査を記録した写真と文書を、白いゴキブリの写真とともに展示する。鑑賞者が見ている世界はドキュメンタリーかフィクションかという疑問を誘発する作品。
キュレーションを行なったソエルジェント氏は、この展覧会のパンフレットで、ジョン・レノンのイマジンを参照しながら、「人々の人生観を変えるほどに刺激的で影響力があるかもしれない多くの物事を想像すること、またさらには人類のより良い未来を形作ること、それが彼ら(作家達)の主な責任だ」と言っています。  

確かに、ここに集まった東南アジアの作家達の作品は、東京の梅雨空のなかで、人間に対する根源的な問いを発しているように見えます。このメッセージの強さは作家達を取り囲む社会状況によるものなのでしょうか? これらの作品は、我々に、もっと東南アジアの美術に目を向けるようにと、強い熱気を伴って迫ってくるようです。

ようやくアフリカから東南アジアのアートに移ったという感じです。国により異なる民族のアイデンティティを見せつけられたような、鑑賞している我々にも「ガツン」としたメッセージが押し寄せてくるようでした。

先生から何かを学んだり、イベントに参加したりという形では得られない「自分なりの学びと楽しみ」が見つけられる月1研究会ART LABO。
ぜひ、一度来てみてください♪ きっとそこには、楽しい仲間たちとの素敵な時間が待っていますよ♪
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