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2017年3月4日(土) レクチャー「アフリカの現代美術の基本レクチュアー」と勉強会
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まずは、アフリカの現代美術を学ぶということで、ファシリテーター山内さんによるセネガル大使館 駐日大使 シエール・ニャング閣下にインタビュー
いただいたものをシェアいただきました。 Q: 大使が小さい頃接した美術などの記憶について A: 学校以外でも習い事などを通じて接する機会があった。 Q: 美術大学などの教育制度について A: 総合芸術大学が設立されている。 Q: 若手アーテイストに対する“国の支援”“留学制度”について A: 国として奨励するが、留学に関する 金銭的支援の予算措置はない。 Q: フレッシュなアートに触れられる場所は? A: 路上で活動するアーテイストやガラス絵にも注目してほしい。 ※ セネガル メモ ・1960年フランスから独立 ・公用語はフランス語 ・首都 ダカール ・初代大統領 サンゴール(文学者・フランス アカデミーの会員)は文化政策として 国家予算の25%を計上して文化興隆を図り民主的基礎を築いたが、その後衰退。 アフリカの1国のお話を聞くだけでも、少し現場に対してのリアリティが出てきます。 |
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次に、アフリカの美術をめぐるいくつかの分類、アフリカ・アジア美術についての定義づけについてを考えました。分類については、 @ 実用をともなうもの(装飾棺桶など) A 伝統的様式による美術(仮面や神像など) B キリスト教により触発された美術 C スーベニア アート(お土産品・エアポート アート) D ニューアート(西欧的文脈での「現代美術」) 大きく分けるとこのような感じになるようですが、 参加者の意見としては、 ・D以外は現代美術として認めにくい。 ・@は現地(ガーナ)ではアートとしては扱われていないが、欧米や日本の美術館では現代美術として紹介されている。 ・Bはイスラム教、他 土着宗教等によって触発されたものも多いのでは。 ・アフリカ諸国の「発展段階」や「宗主国との関係」等 差異は様々である。 ・南アフリカのアーティストに関してはヨーロッパにルーツを持つ人も多い。 ・ナイジェリアでは美術館は未整備だが画廊が多く、成長過程との情報。 と、ここについては、議論も白熱しましたが、まだまだ定義づけするためには、自分たちで観て感じることも大切なところかもしれません。 |
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次に、コートジボワールにてギャラリーを運営されているシモーヌさんとそこでご紹介いただいたいくつかのアフリカアートの画像を観ました。 参加者からは、 ●古典との関わり、欧米との関わりに関心と注目する。 ●世界的に見ると、古典的ノスタルジックな表現もある。 ●アフリカのルーツを表現した、コンテンポラリー アートの集積と見てとれる。 ●日本の近代美術の発展経緯と比較できるかなど、今後の展開に期待。 ●美術的には、地域ごとに特徴のある展開又は普遍的展開があるのかを見極めたい。 ●現状アジア美術の観方についても参考にしたい。 などが出てきました。 |
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また、ART TRANSITのNEW YORK海外研修にて巡り合った2つのギャラリー [ TYLER ROLLINS ] インドネシアの作家紹介 ギャラリー Agus Suwage (ジャワ島出身)の個展 開催 [ GLADSTON GALLERY ] ケニヤの作家紹介 Wangechi Mutu (ナイロビ出身)の個展 開催 どちらのアーテイストも、共通して、必ず自分たちのアイデンティティを表現していて、 それをメッセージやエッセンスとしている。 また、チェルシーのギャラリー街やブルックリンのギャラリー地区では、アジア・アフリカ出身のアーテイストを積極的に取り上げる動きが出てきている様子。というレポートをシェアいたしました。 アジア・アフリカの美術は、まだまだ掘り下げる必要のあるテーマがいっぱいありそうです。 先生から何かを学んだり、イベントに参加したりという形では絶対に得られない「自分なりの学びと楽しみ」が見つけられる月1研究会ART LABO。 ぜひ、一度来てみてください♪ きっとそこには、楽しい仲間たちとの素敵な時間が待っていますよ♪ |