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2016年7月2日(土) フィールドワーク 「工芸を扱うギャラリーに行ってみよう!」
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7月のART LABOはフィールドワークです。 参加された方の心がけが良かったせいか、梅雨にもかかわらず雨にも降られず、かんかん照りにもならず見学に適した日でした。 訪問したのは、青山の地下鉄銀座線「外苑前」近くの、工芸を扱うギャラリー2軒です。 1軒目は「白白庵」。白い建物で一見現代美術のギャラリーのようですが、それもそのはずで以前は現代美術を扱っていたそうです。 しかし、2013年に、「白白庵」主催でアート・ディレクターである石橋圭吾さんが、陶芸やテキスタイルほかジャンルを越えた多彩な作品を展示し演出する「しつらえ」の場に変えられました。 |
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石橋さんのこの場は、工芸作家の作品を並べた普通のギャラリーではなく、石橋氏のアート・ディレクターとしての意図を感じさせるものです。 今回見せていただいた展示も「越陶燕」という、これは何だろうと引っかかるタイトルがつけられ、案内状にある紹介文も個性的です。 ちょっと長いですが引用すると「俺たちのバイブル、漫画『へうげもの』(山田芳裕・講談社モーニング連載中)最新刊22服発売を記念し、ツバメの季節に越陶野郎どもが南青山・白白庵に集結!野球の聖地であるスワローズの本拠地・神宮球場ほど近く。 市中の山居で「野球」と「ツバメ」をテーマに繰り広げる、笑いと涙と感動の焼き物賛歌!!」。どうです、興味がむずむずと湧いてきませんか。『へうげもの』(ひょうげものと読みます)は古田織部を主人公とした歴史漫画ですが、それと、野球とスワローのコラボレーションって何って思います。 |
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展示している作家の方は、野球にちなんで1番から9番と補欠の10人、小孫哲太郎、寺田鉄平、山田浩之、松本治幸、平岡仁、富田啓之、伊豆野一政、田村〜、栢野紀文、Bucciの皆さんです。 その作品には、陶芸の伝統に基づいたもの、技術を尽くして徹底的に薄く作ったものがあるかと思えば、バット型の花入、石器時代の人の像のような「ナインくん」という作品、野球ボール型の器、ツバメの形を染めたものなどがあり、それぞれの作家が無理難題ともいえるテーマにチャレンジしています。 |
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ギャラリーはライブハウスのようにお客さんが作品に触れることで価値を生む場、という石橋さんの言葉が印象的でした。 たしかに今回の展示にも、3ヶ月前に構想作りを行い、作家がそれに応えて作品を作り上げ、お客さんが楽しめる場をしつらえたという、ライブ感が強く感じられました。 ART LABOメンバーの何人かが作品を「お買い上げ」したのも、お客様も巻き込んでしまいたいという、その雰囲気に影響されたためでしょう。 |
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2軒目は、「白白庵」から5分位歩いたところにある「モルゲン・ロート」。 ここのオーナーの福井淳子さんは、美術アカデミー&スクールのプログラムに参加されたこともある方ですが、自らギャラリーを経営したいという希望を、昨年末にここ青山で実現されました。 |
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福井さんは、アートは敷居が高いと感じている人に、気軽に作品を買う楽しさを味わってもらうこと、若い工芸作家をビジネスを通して支援することを目指されています。 今回見せていただいた展示は、今年開催された第二回瀬戸・藤四郎トリエンナーレで審査員賞を受賞された、塩谷良太さんという若い陶芸作家の大きなオブジェと茶碗などの器です。 |
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今回は、塩谷さんにもギャラリーに来ていただき話を伺うことができました。 塩谷さんは、イタリアに滞在されている時、西欧では、純粋な美術として扱われるオブジェと実用的な器の間に大きな溝があることを知り、かえってオブジェだけでなく器にも力を入れるようになったそうです。 そして、オブジェと器が全く別なものではないことを、桂離宮を歩き回る感じと、茶室で器を手に持ち回す感じには共通するところがあるという喩えで話されました。 前者への興味がオブジェにつながり、後者への関心が器作りにつながるというわけです。 美術と工芸、近そうであり、遠そうであるこの関係がいつも気になっていた参加メンバーには、たいへん興味深い話でした。 |
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さ今回のART LABOでは、2軒の工芸のギャラリーを見学させてもらいました。 それぞれが異なるコンセプトでギャラリーを運営されていますが、ギャラリーの熱い想いと、ギャラリーを通じて自らの作品を世に問いたいという作家の熱い想いは共通して感じられます。 ギャラリーが作家とギャラリストの想いの交差する場所であることが改めて確認でき、そのダイナミズムを感じることができた、7月のART LABOでした。 (記述SS) |
最後は皆さんでパチり! |
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