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2016年2月6日(土) レクチャー(工芸・素材の基礎知識)


2月のART LABOは2016年のテーマをめぐる取組みの本格スタート。四谷の講義室でファシリテーターの山内舞子さんによるレクチャーから始まりました。  

 

 まず最初は、美術館で展示される工芸作品等のキャプションに表示されている作品名についての説明です。

作品の名前は、見たままで機械的に長い名前が付けられる場合と、作者が「願い」を込めて短い名前を付ける場合とに大別されます。  

前者については絵画・彫刻・陶芸・漆工・染織等、作品の種類別に付け方が変わりますが、漆工を例にとれば、[@主題+A技法+B形状(あるいは用途)] (例:「@片輪車|A蒔絵螺鈿|B手箱(@かたわぐるま|Aまきえらでん|Bてばこ)」といった具合です。

 一方、後者は茶道具や刀剣に付けれられた「銘」(めい)のことです。

特に茶道具の場合には形状からの連想や和歌や逸話から付けられたものなどがあり、例えば、上半分が白く富士山を思わせる楽焼茶碗が「楽焼白片身変茶碗 銘不二山(らくやきしろかたみがわりぢゃわん めい ふじさん)」と呼ばれるようなケースです。

 

そして、銘が付けられていること自体がその作品に対して由緒や格が与えられることを意味することとなります。   ちょっと難しい作品名の解説の次は、山内さんが手ずから静岡県南伊豆などで取材撮影してこられた写真による現代作家の工房の様子の紹介です。

 

陶芸・染織・鍛金(金属の板を金槌で叩き形成する金属工芸)・ガラス工芸の作家の方々が交通不便な山里の中で工房を構え制作に励んでいる様子はふだんなかなか知ることができないものばかりで、とても興味深く拝見しました。  



後半は日頃よく訪れている美術館の「裏側」についての説明ですが、前半の座学の講義に多少疲れてきたところですので、気分を変えてメンバーが二組に分かれ「美術館すごろく」に興じることとなりました。

 

これは山内さんが以前に勤めておられた神奈川県立近代美術館で制作されたもので、お気に入りの作品を1点選ぶことを振り出しにして展覧会を企画し開催するまでの紆余曲折のストーリーをすごろく仕立てにしたものです。

 

フランスの美術館への出品交渉に出張したり、出展作家と揉めて20コマ戻ったりと、サイコロを振るたびに悲喜こもごもの歓声が上がることしきりでした。  

 

気分を転換した後は、同じく神奈川県立近代美術館が制作したDVD『美術館を知る』の視聴が続きます。学芸会議・取材調査・作品修復・展覧会準備・作品搬入・展示作業など、学芸員の方々が職務に従事されている様子とその時の真剣なまなざしが映像を通してよく伝わって来る内容でした。

盛りだくさんの内容であっという間に予定の2時間が過ぎてしまいました。
来月は講義室の外に飛び出して工芸関係の展覧会のフィールドワークに繰り出します。
さて、どこに行けるのか、楽しみにしてその日を待つことにしましょう。

インターネットや雑誌・テレビなどから情報を得たり、講座やセミナーに通って何かを学んだり、イベントに参加したりという形では絶対に得られない「自分なりの学びと楽しみ」が見つけられる月1研究会ART LABO。
ぜひ、一度来てみてください♪ きっとそこには、楽しい仲間たちとの素敵な時間が待っていますよ♪
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