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2014年6月7日(土) ART LABOサロン1〜楚里勇己さんをお迎えして〜

作家さんのお話をお伺いして、現代の作家さんたちが何を考え、何と戦い、どのような制作をし、世の中に表現として発表していらっしゃるのか?などをお伺いするART LABOサロン、初の開催となります。

不定期での開催となると思いますが、ARTLABOの勉強のひとつの形としてやっていけたらと思っております。

初となる今回は、美術めぐりで2014年1月に行った「伊藤忠青山アートスクエア」での展示をされていた楚里勇己氏をお迎えして、彼の作風・作家としてのマインド・こだわりや将来について・・・などをたっぷり伺う2時間となりました。

当日は、大雨となっており、そんな中大切な作品を数点持ってきてくださった楚里さん。こんなに近くで作品を拝見できるなんて、我々は贅沢ですね♪

 

楚里さんは、美術館での展示ではなくギャラリーや飲食店など、、と「どこで自分の作品を観てもらうか?」という展示会場にもいろいろこだわっていらっしゃいます。

『美術館だとどうしても作品が大きくなってしまう。

そうすると、お家に飾れるものではなくなってしまう。

だったら、飾れる大きさというものにこだわりたい。』

それは、買い手(消費者)の目線を考えていらっしゃるからこそのことのようで、楚里さんは「日常を彩れる日本画」というスタンスにこだわっているとのことでした。 


また、「日本画」という言葉が持っている暗いイメージを払拭するべく、楽しくて明るいものがあってもいいのではないか?ということで、きれいな色や構図の作品作りにもこだわっていらっしゃるのだそうです。

また、和紙・箔など日本が大切にしていかなければならない職人さんたちに少しでも文化や技術を残していってほしいという思いもあるそうで、自分の作品が売れれば職人さんたちも守っていけるという思いで頑張っていらっしゃるとのことでした。

楚里さんの作品は、すごく主張がありそうでなさそうで、でもずーっと見ていても飽きない、すごく不思議で素敵な存在感を感じさせてくれます。

とてもデザイン的な手法に近いというご本人のお言葉。
だけども、量産品にはない、見続ける面白さを表現していきたい。。。というお話の中に、なるほど〜と思いました。

 

楚里さんは、ご自身のことを、『発信型の作家ではなく、売り絵作家とよばれる類のほうだ』と仰っていました。
ご自身の絵が、誰かの「初めて買う絵」にして行きたいと仰っていました。そうすることで、材料を作る職人さんたちを守っていけたら・・・と思っていらっしゃるとのことです。

だから、初めて買う人を意識して、作品を作られているそうです。


印象的だったのは、
「絵には機能がない。観ることしかできない。だからこそ、観る行為自体に時間を使える贅沢さを感じてもらえるような作品を作って行きたい」と仰っていたことでした。

現代人の生活・時間・ライフスタイルをとことんまで考え、その中でご自身の絵というものをどのように入り込ませたらいいのだろう?と、真剣に考え、丁寧に作品を制作していらっしゃる楚里さん。

どんなお仕事にも共通している、「お客様目線」を追及している作家さん、『買ってくれる人と直接話の出来る作家になりたい』と仰っていたことがとても素敵だなぁ〜と感じました。

次回ART LABOサロンは、池平徹兵さんをお迎えいたします。ちょうど今回見学にいらっしゃってくださり、楚里さんと池平さんのアーティストとしての考えの共通点や違いなどのお話にも触れることが出来ました。
いつか、対談も面白いかも?という、新たな楽しみも出てきました。

楚里さん、今回は貴重なお話をありがとうございました。
              (ART TRANSIT事務局)
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