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過去の美術めぐり
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2014年3月8日(土) 松涛美術館「ハイレッド・センター『直接行動』の軌跡」展

先月の美術めぐりは雪に翻弄されましたが、今回は3月と言うのにまだまだ寒さは残っていますが晴天に恵まれ、事務局としてはホッとした美術めぐりとなりました。

 

松涛美術館は、美術めぐりでは初訪問となる美術館です。昨年はほぼリニューアルのため閉館しておりましたが、今回リニューアル後ということもあって、訪問をとても楽しみにしていた方も多いのでは?ということで、16名の方々にご参加いただけました。。

「ハイレッド・センター」と言うと、日本の戦後の美術家3人組で、パフォーマンスアートの人たちだよね〜と言うところまでは知っています!!と言う方も多いと思いますが、その信条や実際どんなことをやっていたのか?ということまでよく知っていると言う方は稀なのかもしれませんね。

さてさて、ハイレッド・センターに関してのここまで大きな展覧会は、貴重な機会と言うことで、皆さんで鑑賞いたしました。

美術館のご配慮をいただき、一室空けていただき、全体的な説明後→展示室へ鑑賞→また説明→展示室へ鑑賞というような感じで、効率よく鑑賞させていただいたのは、とてもありがたかったですね。

 

美術館の方からご挨拶をいただき、ガイドである中村宏美さんより「ハイレッド・センター」ってどんな集団?何をやっていたの?と言う説明をいただきました。

彼らと同時代を生きている人、彼らの活動の後うまれて生きている人、そのあたりに鑑賞における感じ方のギャップがあるように感じました。

それにしても、彼らの活動はとても面白い!!のですが、パフォーマンスアートという即興性という性質上、ファインアートのように「残る」作品ではないと言うことこそに、何か大きな意味を感じるように思いました。 

日本がこれから東京でオリンピックが開催されるんだという高度成長期時代に、このような活動をしていた彼らのアートは、これからまた東京オリンピックが開催されるという今の日本と照らし合わせるのに十分なものでした。

 

個人的な感想をいえば、「冗談みたいなことを本気でやる」という面白さと意味の深さにおお!!と思った次第です。

彼らが活動したあの時代より、今の時代のほうがほんのちょっと自由と言うものがなくなり、面白くない時代になったのかな?と言うような感じもしました。

 

それは、情報化社会、ファストな時代な今には到底考える時間がない・・・というか、「考えない」時代になったのかな?と言うことでもあるのかもしれないと思いました。

規制やルールにがんじがらめになり、自由を奪われた感のある現代は、ひょっとして考えると言う人間本来の力を自ら捨ててしまっているようにも思えました。

それくらい、ハイレッド・センターは、その時代でできる最大の表現を彼らの自由な思考で完成させているように思いました。

 

ハイ=高松次郎
レッド=赤瀬川源平
センター=中西夏之

彼らそれぞれのその後の個人作品とこのハイレッド・センターとしての活動の作品とを照らし合わせてみるのもまた面白いと思いました。

 

彼らがパフォーマンス活動を行っていたその時代に、それを目撃できたなら、どんな感想を持つのかな??
少し時間がたった今だから、楽しめてみれるのかな?

そんなこともちょっと気になるそんな鑑賞でした。

行動を起こす、と言うそのこと自体に大きな意味があるというのは、アートの世界だけのことではありませんよね。なんでも思考に終わらず、行動してこその何か。と言うものが生きるうえでとても大切なことだと言うのは、誰しも「頭」ではわかっていることなのですが・・・。

・・・そんな意味でも、この展覧会の「深さ」と言うものが、鑑賞後自分の中に残ったそんな時間となりました。

 

来月は、森美術館に「アンディ・ウォーホル」を鑑賞しにいきます!

お時間ある方、是非一度ご参加くださいませ。

                                       (ART TRANSIT事務局)

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