2013年5月18日(土) 写真ギャラリー POETIC SCAPE
中目黒にある写真ギャラリーの「ポエティック・スケープ」。ART LABOの時間にレクチャーを受け、今度は実際にギャラリーに観にいこうということで、皆さんでお邪魔しました。
ギャラリーは中目黒の住宅街にあります。「生活のなかに、自然に溶け込むアートを」を提案していらっしゃるということで、この立地を選んだそうです。 |
もとは近所に出前をするお蕎麦屋さんをギャラリーとして改装した建物です。美術専門のデザイナーにお願いしたというこだわりの設計で、単純なホワイトキューブではない空間を生かして展示しています。
外から見える壁には代表的な作品を、中で座って鑑賞して欲しい大きな作品の前にはアンティークの椅子を設置。接近して観て欲しい小さな作品はコーナーの壁面に、小上がりを生かした場所には、数点の作品をリズム感ある配置で展示するなど、あまり大きなギャラリーではないのですが、じっくり鑑賞することができます。 なんと1時間以上滞在する ひとが大変多いということです。 |
今回お邪魔したときは、佐久間里美さんの個展を開催していらっしゃいました。佐久間さんは、油彩画では大変定評のある作家でしたが、現在写真に転向されています。
「絵画的な写真」という印象を持つ人が多いようですが、抽象画のような作品だからかもしれません。日常風景の中に発見した「幾何柄」「抽象 的モチーフ」を切り取った作品で、色も鮮やかなものが多いです。抽象的な写真を撮るということは、対象をクローズアップすれば簡単だそうです。でも、佐久間さんはあえて「引き」で撮影します。何を取ったのかわからない、大きさもわからない、私たちの周辺にある「風景抽象画」です。 でも、ちょっと植物や建物 の一部を写りこませることで、スケール感が解る・・「ここが佐久間さんの写真の面白いところ」とは柿島さんからの鑑賞アドバイスです。 柿島さんは、作品の額装の仕事もしています。写真にとって額装は「ドレスアップ」。同じ作品でも、マットの面積や額の質感・装飾で大きく作品の印象が異なることに、一同「うーん すごい」とうなるばかりでした。
スクールでのレクチャーとギャラリー訪問で、アート写真との距離がぐっと近づくことができた二日間でした。これからも、お話しを伺う機会を増やしたいと思います。 (ARTTRANSIT エデュケーター 中村 宏美) |