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2023年3月4日(土)上野エリア「東京藝大の近くの一軒家のなかの画廊」など
今月は、上野公園から根津駅にかけて、3つのギャラリーを訪問いたしました。 まず最初に訪問したのは、上野桜木にある「櫻木画廊」。 住宅地の中にあるオシャレな一軒家という印象の外観のため、ひと様のお家にお邪魔するような感覚になります。 中には、作品が素敵に見えるような空間が広がっておりました。 |
ギャラリストの桜木雪さんにお話をお伺いしました。ここはもともとは住宅として使われていた建物で、ギャラリーとして1階を活用するために床を50センチほど下げたとのこと。年に1回は壁を塗り直しています。
お邪魔した際には「アニマルトレイル 山本挙志」展が開催中で、作家の山本さんも在廊され、お話を伺うことができました。柔らかい印象を醸し出す作品の中には、可愛らしいキャラクターのようなものも居たりしました。 |
作家の山本さん曰く、「手跡のようなものたち。言葉にしたら獣道。同時進行で作品を作っている。自然に出てくる余白なのでレイアウトに意図はないとのことでした。」 |
さて、櫻木画廊さんをお暇して、次に向かったのは、カヤバ珈琲店からほど近い「haco」。
入口からは小さいスペースのように感じましたが、入ってみると不思議な居心地の良さがありました。 こちらのスペースは3年前から現在のような形で運用しているそうですが、もともとは大正時代からある長屋の一部だそうで、ちょっと前まではクリーニングの受け継ぎ所として使用していたそうで、もともとの建物の雰囲気を壊さぬような形でリノベーションしたとのことです。 |
「新たに設けた白い壁の部分がメインの展示スペースですが、それ以外の部分も作家さんが工夫して行うことがあります」とスタッフの小能一樹さん。
今回は「AYAKA ONO SOLO EXIBITION」拝見しました。小野綾花さんは東北芸術工科大学の3年生。「学部在籍中で、個展というのは凄い」と山内さん。洋画専攻だそうですが、「油絵じゃなくても成り立つ作品」を作っているそうです。 |
今回は、個展をやろうと決めてから作品を作ったとのこと。今回の展示は、「電気屋さんを模している。」そうです。 小野さん自身、昭和のオカルト的なものに興味があり、スプーン曲げの練習をしたができなかったそう。 今回よりさらにパワーアップしたものも現在開発中とのことでした。「面白いもので人を楽しませたい。それを軸に、作品作りを考えたい。」と仰っていました。 |
ちょっと楽しくなる気持ちにさせてくれる作品に後ろ髪をひかれながら、日も暮れかかった街を歩いて、根津駅近くの建物へ。 その2階にある、根付を中心に扱う「花影抄」にお邪魔しました。 こちらでは代表の橋本達士さんにお話をお伺いしました。 根付という小さな作品を展示することの工夫として、「照明はLEDにしてあるが、小さい作品である根付は、展示映えしない。だからこそ、直接手で触ってもらい、体験・体感してもらうことを大切にしている。」とのこと。 |
橋本さんいわく「現代の根付の作家さんの経歴は人それぞれ」。 例えば、象牙作家、木工家、大学生.整備士、板金などの技術系、ジュエリーを勉強してきた人などが作家として活動している。美術のど真ん中ではない分、いろんなジャンルの人が根付を制作していることが興味深いとのことです。 作家さんごとに作品をみていくと、特徴などもつかみやすいのでおススメですとのこと。 根付専門のお店は少ないので、根付が欲しいとなるとここに足を運ばれる方が多いそうです。 |
展示されている作家さんの中には注文を受けて制作する方もいて、作家さんを育てるために色々と注文をしているようなお客さまもいらっしゃるとのことです。
もっといろいろなお話を聞きながら、小さいながらも大きな世界を抱く根付作品をもっと見ていたいな・・・という思いになりながら、今回は終了となりました。 |
このイベントを通じて、一人でも多くの方が、さまざまなギャラリーへ気軽に足を運んでいただけるようになってほしいという願いを込めて、4月以降もまた「ふらっと入りにくいギャラリー」へ訪問してみたいと思います。 |