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過去のギャラリー巡り
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2023年2月4日(土)青山エリア「青山霊園の緑が見えるNYのアパートメントのような画廊 」など

2023年の「ふらっと入りにくいギャラリー」の初回となりました。
2月は、乃木坂駅周辺にある3つのギャラリーを訪問いたしました。  

まず最初に訪問したのは、「art gallery closet」。
ビルの3階にあるこのギャラリーからは、青山霊園の緑がとても綺麗に見えます。ギャラリー内も、インテリアにこの作品があったら・・・と想像しやすい、ゆったりとした空間で、ずっと座っていたくなるソファがあり、居心地がとても良いギャラリーです。

ギャラリストの新井佐絵氏からお話を伺いました。 「以前、住宅関係の仕事で、新築のお家に取材に行くことが多く、新品で綺麗なお家なのに、なぜか魅力的に見えなかった。住んでいる人の彩りがない無機質な部屋ではなく、なにか作品が飾ってあったりすると良いな」と思ったのがギャラリーを始めようと思ったきっかけだそうです。
「住まいに欲しい作品は、やはりインテリアに合う抽象が良い」と常に作品を探しながらも20年以上、この形態で続けているとのこと。貸し画廊での新たな作家との出会いなどもある。作家さんとは、時間をかけて関係性を築いていくようにしているそうです。  

ギャラリーがあるこの乃木坂は、「やはりギャラリーをやるなら《東京のど真ん中》じゃないとだめだろうと思ったから」とのこと。この建物は、1964年(先の東京オリンピック)に建てられ、もともとは居住用として建てられたそうで、ギャラリー用として、リノベーションしているが、床の個性や、窓からの風景が作家さんにとって邪魔になる場合もあるとのことでした。
今回展示中の作家「稲垣 洋介」氏は、1976年生まれ。
東京藝術大学の日本画専攻出身で、柿渋や漆なども使って抽象画を描いている現代作家さんです。ていねいに作られたことが伝わってくる作品がお家に飾られていることを想像するだけでも、ちょっとリッチな気持ちにさせてくれる、そんな作品たちでした。  

さて、後ろ髪を引かれるように我々は次のギャラリーへ。一見このビルの中にギャラリーがあるとは思わないだろうレアな場所に、素敵なギャラリーがありました。
「SNOW Contemporary」。
ギャラリー名でもある「snow」は、ギャラリストである窪田研二氏がシンガポールでのお仕事の際、「シンガポールにはないモノ」をギャラリーの名前にしようというインスピレーションから生まれたものだそうです。


2011年に世田谷でスタートしましたが、ビルの取り壊しと共に現在のこの場所に移ったそうで、もともとはオフィスだったところを自分たちでホワイトキューブにしたそうです。

現在展示中の「山川冬樹『Frozen Screams 凍れる叫声』展」は、音の振動を砂にあてて、そこから生まれてくる模様を作品としています。


入国管理局で起きたスリランカ人の死亡事件の際、被害者の妹さんの叫び声を一つの作品にしたことをきっかけに、さまざまな音の振動から現れる模様を作品にしています。  

 声紋のような天気図や等高線のような、そんな作品群、声をテーマにした作品ですが、作品には声がついていません。でも見ていると声が聞こえてくるような不思議で深い作品でした。
そして、今回ラストとなるギャラリーはそこからほど近いところにある「桃居」です(こちらはいわゆる「路面」のお店で、外から内側も見えやすいため、この日の訪問先のなかでは比較的入りやすい場所といえるかもしれません)。

 店主の広瀬一郎氏にお話をお伺いしました。
「1987年からこの場所でやっている。 同世代の作り手や日常使いできる器を作っている作家とともにスタートして今に至っている」とのことです。
 また、「新しい表現の要素を持っている人、人柄や考え方にも魅力的のある人を選ぶようにしている。」とのことでした。
今回、鑑賞させていただいたのは「松村英治『陶展』」。金沢美大で彫刻を勉強し、彫刻的な仕事もしていたが、陶芸については卒業後に常滑に行って、職人として働きながら作家としての作品づくりを始め、今20年目だそうです。

無釉の作品と、釉薬のある作品の2種類がありました。
無釉の作品というのは、土の感じが強く重厚感もあり、食べ物がおいしく見えそうだと感じました。参加者のみなさまとも、あれこれ興奮しながら鑑賞いたしました。  

陶芸作品も奥が深い世界なので、このような専門ギャラリーに定期的に足を運ぶことで色々と世界が広がるのだろうなと感じました。

終わるころには、外は真っ暗になっていましたが、予定をしていた3件のギャラリーをめぐってこの日は終わりとなりました。

それぞれ個性的なギャラリーを見ることができたので、参加者の方も大満足だったようです!  

 

 このイベントを通じて、一人でも多くの方が、さまざまなギャラリーへ気軽に足を運んでいただけるようになってほしいという願いを込めて、3月以降もまた「ふらっと入りにくいギャラリー」へ訪問してみたいと思います。

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