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2017年5月13日(土) レクチャー「西洋から見たアフリカ美術」について


前回のフィールドワークを踏まえ、 今回は改めて四ツ谷で勉強会です。  
ファシリティーターの山内さんから、 沢山の資料とともに画像を見せていただきました。またメンバーからも、独自で参考文献を読み作成した素晴らしい資料を配布していただきました。山内さんから解説を受けながら、メンバーで意見を交換しました。アフリカ美術の現状が少しずつ掴めてきたような気もしま す。    

アフリカ美術といえばピカソやマティスの作品を思い浮かべる人が多いと思います。≪アビニョンの娘たち≫の黒い顔はまさしくアフリカの仮面です。そして1989年にポンピドー・センタ―で開催された「大地の魔術師たち」展が有名です。しかしそうしたものはあくまで西洋の視線で見たアフリカでした。原始的なもの、未開拓なものとして映っていたその芸術は文化人類学的で のみ評価されたり、あるいは民芸の域を越えないものとされるケースが多々ありました。何気なく使っている「プリミティブ」とはある意 味否定的な言葉でもあります。アフリカ美術をそのような西洋の美術の視視線を外し、アフリカの側から眺めて見るとどうなのでしょう。 かつて日本の文明開化期に西洋至上主義的な風潮が起こったこと、ジャポニズムを取り入れた絵画を逆輸入的に受け入れたことがありました。それと同じような現象があるのかもしれません。
アフリカ諸国は西洋の植民地時代が続き、政治的にも経済的にも独り立ちするのがやや遅れました。配布資料によると、いま現代美術のアーティストは次のタイプに分類されるそうです。

1.アカデミックな教育を受けていない作家のなかには、主に西洋人の注文に応じて作品を制作している人々がいる(ティンガティンガ等)。

2.アカデミックな教育を受けていない作家のうち、上記1以外の人々の作品は主にアフリカの人々の間で流通し、彼らは看板や棺桶など実用的な仕事なども手掛けている。

3.ヨーロッパやその他の国に留学し、美術教育を受ける(現在有名な人たちの多くはこのタイプ)。


アフリカの各国の経済状況には格差があり、全体的にはまだ教育機関や美術館が整備されておらず、その市場では西洋のディーラーや購入者が大きな影響力を持っている状態だそうです。このようにアフリカ美術を知るために重要なのはその国々の歴史や伝統、現状を知らなければなりません。例えばルワンダ共和国は今から二十数年前、ジェノサイドという悲劇がありました。画像で見たルワンダ共和国の作家の絵はおおらかさを感じますが、描かれている人物のポーズや道具類にも知らないことは沢山あります。
※山内さんが雑誌「pen」5月15日号のアフリカ特集のアート欄を執筆されました。(p54〜p61)その裏話も面白く伺いました。アフリカの「今」を教えてくれる作家が紹介されています。これを見ると日常にある様々を異形化させる行為 は、私たちが普段目にする現代アートと何ら変わることはありません。

先生から何かを学んだり、イベントに参加したりという形では絶対に得られない「自分なりの学びと楽しみ」が見つけられる月1研究会ART LABO。
ぜひ、一度来てみてください♪ きっとそこには、楽しい仲間たちとの素敵な時間が待っていますよ♪
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