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2016年3月5日(土) フィールドワーク〜東京国立近代美術館 工芸館 見学〜


2月のART LABOは2016年のテーマをめぐる取組みの本格スタート。四谷の講義室でファシリテーターの山内舞子さんによるレクチャーから始まりました。  

 

 まず最初は、美術館で展示される工芸作品等のキャプションに表示されている作品名についての説明です。

作品の名前は、見たままで機械的に長い名前が付けられる場合と、作者が「願い」を込めて短い名前を付ける場合とに大別されます。  

 

前者については絵画・彫刻・陶芸・漆工・染織等、作品の種類別に付け方が変わりますが、漆工を例にとれば、[@主題+A技法+B形状(あるいは用途)] (例:「@片輪車|A蒔絵螺鈿|B手箱(@かたわぐるま|Aまきえらでん|Bてばこ)」といった具合です。

 前半は工芸館で開催中の「芹沢_介のいろは―金子量重コレクション」を鑑賞しました。会場の一室に移動し、「この部屋の中で一番気に入った作品の前に立ってください」との指示でそれぞれ好きな作品を選びました。そこで手渡されたのが3×3マスの紙。一番左側の列には上から耳、鼻、口のイラストが描かれており、残りは白紙です。

 

「その作品から感じる音、におい、味をそれぞれのマスに書き込んでみてください」。五感を使って鑑賞するという、普段なかなかない珍しい体験でした。書き終わったあとは隣の人に紙を渡し、「その作品のどんなところからそう思ったのか」を推理して隣の列に書き込んでいきます。他の人が感じたことを追体験するという、想像力をフルに活用しないといけない鑑賞方法でした。自分の感想の理由が言い当てられるのもおもしろかったです。



続いて場所を1階に移して、工芸品を手で触って学ぶ展示を体験させてもらいました。触る前に手をよく洗い、指輪や腕時計は外してスタンバイします。

 

机の上には色とりどりの10種類以上の布が用意されていました。単眼鏡でのぞくと、糸の絡みや布の細かな凹凸がよくわかります。肉眼ではほとんど見えない金色の糸もはっきりと見ることができて驚きました。

人間国宝の小宮康孝さんによる江戸小紋の作品、こいのぼりを描いたろうけつ染めの作品、向こう側が透けて見えるほど薄く織った紗など、さまざまな工芸品を技術や歴史とともに紹介していただきました。

最後に学芸員さんに質問を伺いました。    

 

 Q:展覧会の1年前には何をしていましたか? 今回の展覧会は通常の展覧会と違い、数百点のまとまったコレクションとして寄贈されたことを記念して企画されたものです。寄贈者のお宅に3回足を運んで、作品の整理などを入念に行いました。未発表の作品には工芸館が名前をつけたものもあります。    

 

 Q:3月前は? プロのカメラマンにお願いして写真を撮影してしました。430点にもおよぶ撮影は作品の準備だけで大変で、のべ1週間近くかかりました。ただ撮影すればいいだけでなく、作品によって見る角度や照明の当て方も変えなければなりません。



 

Q:2週間前は? カタログの最終校正や展示パネルの校正など。最後の追い込みで、いちばん忙しい時期です。     Q:工芸作品で見てほしいポイントは? 技術や技法の説明を聞いただけで満足される方も多いですが、やはり実物を見て、そこから感じることを大切にしてほしいと思います。最初に出てくる直感的な言葉はいろいろな要素が混じり合ったものですが、「主観」「客観」と分けて認識することで、自分の見方を整理し、より深い鑑賞につなげることができると思います。
東京国立近代美術館の工芸館は、本館からさらに奥に歩いたところにありました。
足を運ぶ機会は、本館ほど多くないというお声もありますが、いってみると、その建築の佇まい、内部空間の美しさ、そしてそこにある美しい工芸作品たちが展示されており
、とても贅沢な気持ちになる美術館だなぁと思いました。

先生から何かを学んだり、イベントに参加したりという形では絶対に得られない「自分なりの学びと楽しみ」が見つけられる月1研究会ART LABO。
ぜひ、一度来てみてください♪ きっとそこには、楽しい仲間たちとの素敵な時間が待っていますよ♪
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