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2013年9月7日(土) 展覧会を批評る(みる)!

今回は、ゲストをお迎えして、展覧会を批評してみると言うタイトルで、展覧会をどう観ているか?展覧会をどこを観ているか?と言う角度での勉強会となりました。

ゲストに土方浦歌さんをお迎えしまして、元学芸員というお立場から、鑑賞者に向けて学芸員たちが届けたいメッセージはどんなところにちりばめられているのか?そして、どんなところを観てほしいのか?などをお話いただきました。皆さまそれぞれの展覧会鑑賞へのスタンスなどが出てきて、楽しいディスカッションの時間となりました。

最初の45分は、展覧会を評価してみる・・・という内容で、作り手側と鑑賞側、それぞれがどんなところを観てほしいか?どんなところ観ているか?等をざっくばらんにディスカッションしました。

鑑賞者のなかには、スタンプラリー的な発想で「作品をどれだけ観たか」という、作品点数を多く鑑賞することに意義を感じている人も居るけれど、同じ作品を何度観ても会場や企画が違えば違った感想を抱くことだってある、そんな鑑賞方法も大切なのでは?と言うお話も出てきたりました。やはり「仕掛け」に期待している鑑賞者も多いのですよね。。。
また、美術館内でのいろいろな「禁止事項」が気になるとお話も出てきました。特に結界については皆さん思うところも多かったようです。。。
そしてキャプション。観るか観ないかと言うところから、文字情報というのは鑑賞にどこまで必要かというお話までかなり色々な意見が出てきましたが、とにかく限りある時間での鑑賞となると、文字を読んでいると作品が満足に観れない、だけど作品だけを観てると、なんだかよくわからない・・ということになるので、時間配分をどうするか?というところに皆さん気を使っているような感じでした。

広報・CM・チラシなどに関しては、やはりPRと実際の展覧会とのギャップが大きいものに対しての意見が多く出ました。展覧会の中身を忠実にPRしていたら、人は来ただろうか?やはり、客寄せパンダ的な要素がPRの全面に出てくるのは致し方ないだろう。ただ、チラシとギャップがあまりにも大きかった時のがっかり感も半端ないと思うものも多々ある・・・などなど。
観客受けを狙うべきものと、そうではないもの、きちんと説明をしてほしいもの、放っておいてほしいものなど、答えが出る話ではないけれど、色々な考え方が生まれてくる鑑賞の仕方のディスカッションは大変有意義でした。

後半45分は「チラシ分析」。

・そのチラシを見て行こうと思うか?思わないか?

・チラシの情報を参考にして、行く展覧会を決めるかどうか?

・チラシを積極的にもらっているかどうか?

など色々な話が出てきたのですが、かなり色々な意見が出てきました。

 

仕掛け側である学芸員たちがチラシを作るとき、デザイナーさんとどのようなことを考えるのか?などのレクチャーをいただきながらも、それが叶っているチラシ・ずれているように感じるチラシなどなど、じっくり見ていくとチラシの世界もかなり面白いものだと感じました。

今回の話の中で出てきたのは、チラシより口コミで展覧会に行くかどうかを決めることが多い、と言う意見が意外と多いと言うことが判明し、では、現代においてのチラシの役割とは何だろう?という素朴な疑問まで出てきました。

ひとつの情報収集の手段としての役割が強いのかな?と言う印象を受けましたが、情報の正確性などに疑問を持つ方もいらっしゃったりと、まだまだチラシの役割について考えてみる時間を持ってもよさそうな気がしました。

 

最後に、図録は必要か?と言う話も出てきましたが、やっぱりあの大きさ・金額・情報量とのバランスを考えると、網羅的に購入するということには、限界を感じる方も多いようでした。

どうしても欲しい(それは論文だったり、好きな作家だったり)もの以外は買わないと言う声が圧倒的でした。
もっと軽く細く安いものがあればいいなーと言う意見もありました。

でも、作品リストは皆さん記憶のためにとっておられるようです!!。

 

こういうディスカッションを元に11月は引き続き「展覧会を批評る!(みる)」をテーマに、評価基準のシート作りのための項目を考えると言う内容で、引き続き、土方さんにお越しいただきお話していきます。

 

2014年のART LABOは「展覧会テイスティング」という名目で、メンバーそれぞれが自分が見た展覧会を記録していくための「テイスティングシート」をもとに、「鑑賞者のための鑑賞者による展覧会テイスティング」を行っていこうと思っております。

 

なぜ、テイスティングか?

それは、「批評」だとか「評価」だとかという堅い基準ではなく、展覧会を「どのように感じたか?→味わったか」。つまり、ワインのテイスティングに似た表現が一番我々のスタンスに近いだろうという考えからスタートしています。

アートナビゲーターや、ART TRANSITの会員さまたちの「展覧会テイスティング」を見て、展覧会に行ったのよ!というお声をいただけるよう、いい基準作りができればいいなぁと思っております。

そして、展覧会鑑賞が前にも増して、楽しく意義がある、テイスティングシート作りを楽しめる、そんなものを皆さんと作っていけたらと思っております。

 

ご興味がある方、11月のART LABOにぜひご参加ください!!

                                       (ART TRANSIT事務局) 

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