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2019年1月19日(土) 渋谷区松涛美術館「終わりの向こうへー廃墟の美術史」展
年明け1回目の美術めぐりのラインナップとして「廃墟」ってどうなんだろうか?と、計画の時に悩んだテーマではありましたが、結果としてむしろ年の初めに観れたのは、ラッキーだったと思いました。 廃墟といえば、長く西洋美術のモチーフとして描かれていましたが、日本では明治時代になってから西洋から取り入れられ扱われるようになったそうです。 |
たくさんの廃墟をテーマにした作品を観ていると、だんだんと不思議な気持ちになってきます。 廃墟というのは、建物にとっての「生」を終え、朽ちていくその姿ともいえるのだろうと思うのですが、そこに「死」を感じるだけでなく、同時に「生」をも感じるようなそんな気持ちにさせられるのは、かなり驚きでした。 色々なモチーフがある中で、「廃墟」というモチーフに注目してきたことは今までなかったのですが、たくさんの廃墟をテーマにした作品を観ていくことはとても新鮮で、かついろいろな感情が揺さぶられるモチーフであることに気づかされました。 |
「廃墟」というテーマを扱いつつ「現代社会」への警鐘ともいえるような、戦後の日本人作家たちの作品たちには息をのまれるものがありました。 今回の展覧会を開催した松涛美術館のある渋谷周辺は今、再開発の真っただ中にありますね。 そんなことも相まってか、廃墟だけではなくその建物の集合体である街、都市の栄枯盛衰、そしてそこに行き交う人やさまざまな暮らしや生活。 そんなところに、ふと気持ちが向くような気持になり、たくさんの感情と自分の生きざま、のようなものが頭によぎりました。 |
まさかの「廃墟」をテーマにした作品たちを鑑賞することで、自分の「人生」や「生き方」のようなものを考えさせられるという時間を持てたことは驚きでしたが、本当に秀逸な展覧会だったように思います。 さて2月は、「新・北斎」展を鑑賞いたします。 今回の出品作品たちを鑑賞する機会は、本当に貴重なんだとか?! 改めて「北斎」のさまざまな画業について、皆様と一緒に鑑賞してみたいとおもいます。 ご興味ある方はぜひご参加くださいませ。 (ART TRANSIT事務局) |