2014年1月18日(土) 伊藤忠青山アートスクエア 楚里勇己 日本画展−イロノツラナリ−
2014年最初の美術めぐりは、外苑前にあります「伊藤忠青山アートスクエア」にお邪魔しました。 昨年4月にも江戸切子展にお邪魔させていただいていただきました。こちらは、常に新しいテーマを切り口にさまざまな展示をされているギャラリーとして人気急上昇のギャラリーだそうです。 新年1発目ということで、やはり日本らしいものがよいだろうということで、「楚里勇己 日本画展ーイロノツラナリ-」にお邪魔しました。。 |
2014年も美術めぐりのガイドは中村宏美さんにお願いしています。 伊藤忠青山アートスクエアのギャラリストである猪俣さまのお話をいただいた後、画家の楚里さんから直接、作品や作家としてのお考えなど、色々お伺いいたしました。 楚里さんは、1985年生まれの若い画家さんですが、作家があまりにも自分の思いや表現にこだわりすぎるあまり、鑑賞者が置いてけぼりになっているような気がするという現代のアートシーンに対して、ご自身は、買う人・観る人にとって親しみやすいものを作りたい、もっと日本画を身近に感じてほしいという思いから、さまざまな作品を制作されているとのことです。 |
作品の大きさ、展示の方法、そしてモチーフなどなど、そのすべてが、現代の日本の住環境や日本人の好みなどを意識した作品づくりとなっていて、皆さん真剣に楚里さんのお話を聞きながら、作品を鑑賞されておりました。 どうやら、テキスタイルやインテリアデザインからインスピレーションを感じていらっしゃるようで、例えば、作品自体をキャンバスの側面までしっかり書きこまれていたり、室内に額縁に入れずにそのまま置いても楽しめるような工夫を、さまざまな角度から考えていらっしゃいました。 |
モチーフの選び方や、その配置などに、デザイナーさんとしての才能もきっとおもちなんだろうな~と思わずには居られませんでしたが、ああ、部屋に1枚置きたいなぁ~、置いてみたいなぁ~と思わずにはいられない、日本人ならではの感性あふれる作品たちに、皆さん楽しんで鑑賞されているようでした。 金箔・銀箔・銅箔に和紙を重ねて、独特な質感を出している作品の表面の美しさと、奥深さに、皆さんさまざまな角度から作品をご覧になっておりました。 |
「日本画とはこういうものだ」と、日本に洋画が入ってきてからそれと区別するために出てきた「日本画」という概念。 江戸時代までは、もっと絵というものは身近に楽しんでいたんじゃないか・・・と。凝り固まらずに自由なものだったのではないか・・と、楚里さんは仰っておりました。 その日本画の自由さを表現したいというお気持ちもあるそうで、その作品たちは、いわゆる日本画のルールのようなものを簡単に飛び越え、だからといって画家自身の自己満足に終始する形でもなく、あくまでもみんなに「いいね」と言ってもらえるような形として完成されているというところに、作家さんの考える「自由さ」と日本画本来の「自由さ」を見た気がしました。
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作品を平置きにし、周りに水を配置して鑑賞する作品なんかは、ひやひやしつつもその楽しみ方に、新しいものを感じたり・・・。 なにか、ほっこりとやさしいものを感じたのは、私だけではないような気がします。
なんとなんと、楚里さんの作品をご購入された方もいらっしゃいました。購入しますと宣言して帰られた方もいらっしゃいました。そしてそして、事務局でも1枚購入させていただくことになりました。 事務局では初めての作品購入となりました(ドキドキ)。
美術めぐりを通じて、さまざまな美術作品に出会い、鑑賞だけではなく、購入したり、学んだりと、鑑賞以外の何かに出会えるというのもまた面白いですね。
今回ご参加の皆様は、2時間たっぷり作家さんのお話をお伺いできて、本当にラッキーでした♪ (ART TRANSIT事務局) |
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