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過去の美術めぐり
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2013年7月20日(土) 東京オペラシティ・アートギャラリー「アートがあれば II」展

今回は、オペラシティ・アートギャラリーでの「アートがあればU 9人のコレクターによる個人コレクションの場合」展を訪問しました。

9人の個人コレクターの収蔵品を美術館で展示するという現代美術の展覧会です。コレクター展はオペラシティとしては第二回目。第一回を開催した2004年は、大企業の役員や骨董収集家などの富裕層コレクターから、高橋龍太郎さんや宮津大輔さんといった新しいコレクターが注目されてきた時代だったそうです。今回もまた、コレクターの世代が変わり、サラリーマン、個人事業主、主婦など、世代も30代〜60代と幅広くなっています。

9人のコレクター別に区切られて、9つの小さなギャラリーが併設されているような印象。それぞれは、コレクターのイニシャルが付けられています。まずは E.Y.コレクション。奈良美智の作品は初めて購入した作品だそうです。

 

会社員コレクターのコレクションは、意外にも小さなかわいい彫刻作品が多かったようです。トーマス・デマンドの福島原発を題材にした≪Control Room≫の東京都現代美術館で展示された作品の別ヴァージョンもありました。

 

次にA.K.コレクション。壁面を真っ黒にしてあるのはコレクターの意向だそうで、青山悟の≪Glitter Pieces#25 2009≫がキラキラ光ります。自宅に飾ることがほとんどだそうですが、ちょっと気味の悪い志賀理恵子の≪カナリアシリーズ≫はどこの壁に飾るのだろうかと考えてしまいました。

 

S.M.コレクションでは、八木良太の≪氷のレコード・シリコン≫がありました。もはや、観て飾って楽しい作品ではなく、コンセプトを購入するというコレクション。かなりの上級コレクターとお見受けしました。

 

W.Yさんは会田誠を数多くお持ちだそうです。村上隆、田中功起と並んで、ジャン・フォートリエも展示されているのが、コレクション展ならではということでしょうか。

 

Y.Sコレクションは、ヴィデオ作品が多く展示されていました。加藤翼の≪引き起こし、倒す≫プロジェクトや田中功起の≪サマー・トレジャー≫など、なんども観ておもしろい映像というより、コンセプト買い?もしくはアーティスト支援買い?なのでしょうか。ライアン・マッキンレーの作品は、3人のコレクターが出展しています。

 

実は、主催者側は一点で良かったそうですが、コレクターは誰も譲らず、全部展示することになったそうで、比較するのも面白かったと思います。

現代美術の作品は、通常は一人の作家に絞った展示をギャラリーで観るか、旬なアーティスト数名による展覧会が多いと思います。今回のように、雑多(失礼)なメンバーで、ちょっと昔に話題になった作品が、個人の目線で集められているという展覧会。なかなか、いろいろな見方が出来て楽しかったと思います。

この9人のコレクターですが、実は横のつながりがほとんどないそうで、この展覧会で隣は何を集める人ぞ」というリサーチもお互い出来たようです。  

実は私もコレクターを始めたばかり。今は、若い作家の写真のコレクションをしています。アートは観るだけでなく、コレクションをすると視点が変わってきます。まだまだコンセプト買いやアーティスト支援までは、経済的に不可能ですが。

 

 9月には、森美術館の「六本木クロッシング」への美術めぐりで現代美術を鑑賞します。今回の作品との比較も楽しみです。                                        (中村宏美)

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