2014年11月20日(木)~26日(水) ネパール美術研修のたび
11月の海外研修は、アジア編ネパール。 アジアの最貧国とも言われるこの国には、宝物がいっぱい。 世界の尾根ヒマラヤ山脈をはじめ、ヒンズー教・仏教・チベット密教の入り混じる独特の文化形成、数々の手工芸品・・・。小国ではありながら、魅力的なものをたくさん抱えている国です。 最初の写真は、成田→デリーに向かう飛行機の中から見えたヒマラヤ山脈です。 8800mに及ぶエベレストなどは、高度1万メートル上空からでもしっかりと見ることが出来ます。 さて、ネパールの首都カトマンズへは、残念ながら現在直行便がありません。インドのデリーを経由して向かうこととなりました。デリー空港の新しさ・大きさにはびっくり! そして、2つ目の写真は、トイレの入り口です。 男女どちらに入るべきか、わかりやすいですね♪ 夜、カトマンズに到着。ホテルに入り長旅の疲れを癒しました。 インド・ネパール・スリランカなどの南アジアと言えば、「チャイ」。起き抜けの寒い朝にはピッタリ!ということで、早朝ちょっとホテルを抜け出し、近くの屋台で一杯いただきました♪ 温かくて・甘くて美味しい。 現地で飲むチャイほど沁みるものは他にございません(笑)。 |
古都「バグダプル」。 カトマンズから、10キロちょっとのところにあります。 12世紀〜18世紀の間、都として栄えました。 途中、三王国(カトマンズ・パタン・バグダプル)時代に入りますが、現在、中世の街並みを色濃く残しているのがこのバグダプルだそうです。 歩きまくりましたが、どこを歩いても、素敵な建造物がいっぱい。そして、それを保存しているだけではなく、しっかりとその中で生活をしている人たちもいっぱいいました。 3つ目の写真は、ネパールの五重塔「ニャタポラ寺院」。 ここは、ダルバール広場・トゥマディー広場・ダッタトラヤ広場という3つのエリアの中の、トゥマディー広場にありました。 とにかく背が高くてびっくり。塔の一段一段がとても立体的に作られていることに驚きました。 そして、細密なつくりににも驚きです。 このバグダプルには本当にたくさんの寺院が点在しているのですが、一つ一つゆっくり見て歩くだけでも、相当楽しいものでした。 そして、このバグダプルは、「ズズタヒ」と言われる水牛のヨーグルトが一番美味しいことでも有名だそうです。 ランチでいただきましたが、本当に濃くて美味しい! ヨーグルトってこんなに美味しいものでしたっけ?という お味に驚きました。 バグダプルには、海外からの旅行者だけではなく、現地の修学旅行生もたくさん訪問していました。 |
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バグダプルのあと、さまざまな手工芸の工房などを見てまわりました。 左のお兄さんは、日本でも大人気の「パシュミナ」の工房にて変な糸が混じりこんでいないかをチェックする検品作業をしていました。 ほわほわしたパシュミナは、世界的に人気が出すぎてニセモノも多いのだとか? 工房でしっかりと本物を見たりしながら、消費者である我々もしっかり目を蓄えていかないといけないものだな・・・と思いました。 次の女工さんたちの工房は、フエルト工房。 ここは、ほとんどが世界に輸出されてしまうためネパールでは手に入らないのだとか?! とても使いやすそうなフエルトがいっぱいで目移りしてしまいました。 彼女たちの1ヶ月のお給料は、1万円なんだとか。 これは「安い」のでしょうか? 貨幣って一体なんなんだろう?と考えさせられる光景でした。 さて、この写真は「パシュパティナート」と言われる、ヒンズー教の寺院です。 いわゆる「火葬場」ということで、訪問した時もたくさんの火葬が行われておりました。 私たちの人生の最後の最後の姿ですね。。 この寺院は、火葬されているその光景を含めた寺院全体の雰囲気がとても素晴らしくて素敵でした。 そして、お目目のついている寺院。「ボダナート」。 カトマンズの中で一番大きいチベット仏教のストゥーパがあります。 四方に「仏陀の知恵の目」が描かれ、静かに全てを見つめています。そしてその下には、マニ車がストゥーパ全体を囲み、参拝者はマニ車を回しながら仏塔全体を1周することでお経を一回唱えたこととなるのだとか?! 夕方ということもあって、多くの参拝者がお寺の周りをぐるぐる回っておりました。 お寺から伸びている無数の旗(五色)は、タルチョーといわれるお祈りのための旗で、風になびくたびに読経したことになるそうです(なんて便利!)。 とにかく、不思議な雰囲気をかもし出している寺院でした。 夜は、ネパールの代表的な料理「ダルバート」をいただきました。インドで言うところの「ターリー」でしょうか?とにかく、お腹いっぱいになるまで盛り続けてくれます(笑)。 ネパールの料理は、インドとも違いまた違う美味しさがありますね♪ |
カトマンズからポカラへ移動中のバスの中で、幻想的な景色に出会いました。 山を越えてくる雲・霧の大きな流れ。 圧倒的な迫力で迫ってきました。 ---ところで、今回のツアー。行きのフライトの時に、帰りのフライトが「キャンセル」になるかもしれないと聞いていたのですが、現地で案の定「キャンセル」になったと。 原因はカトマンズでちょうど開催されていた「南アジアの首脳が集まる国際会議」でした。 昼間、カトマンズ上空は飛行禁止となり、全てのフライトがキャンセル=我々の帰りのフライトもそれに当てはまったと言うわけです。 日程を大幅に変更し、カトマンズを朝早く脱出しなければ、デリー→成田の便に乗れないので、予定を色々と入れ替え、ネパールを半日早く出て、その代わりその半日をインドのデリーで過ごすというツアープランに変更となったのです。--- カトマンズ→ポカラのバス移動は決してらくちんなもんではありませんでしたが、道路状況や人々の営み、街の変化などをゆっくり見ながら次の地へ行くというのは旅の醍醐味のひとつですよね。 ケーブルカーで頂上の寺院に参拝に行くことで有名な 「マナカマナ」と言うエリアでお昼休憩をしました。 山と川に囲まれてのんびりと食べるお昼ごはんはとても美味しかったです。 まもなくポカラに到着。今回のホテルは、「ポカラグランデホテル」。 敷地内も素晴らしく、なんとし基地内に「ボダナート」的なものがあり驚きました♪ ポカラの空港から近いホテルだそうなのですが、とても快適な素晴らしいホテルでした。 お湯が使える時間が、午前・午後ともに5時〜10時までと決まっているところが何ともネパールらしかったです。 エントランスには、お花が♪ 赤いところが全て花のつぼみなんですよ♪ 彼らの繊細な芸術性が見えてくるなぁ〜としみじみ感動しました。 |
早朝、ヒマラヤが見えるといわれるサランコットの丘へ登り御来光を拝みに行きました。今回のたびのハイライトです。 この日はちょっと雲が多くかかり、御来光は中途半端にしか拝めませんでした。日も上がり観光客は次々に下山していきます。 我々は下山するということは頭の中になく、とりあえず山が拝める可能性があるうちは待ってみようということで丘の上で写真を撮ったり遊んだりしておりました。 何時間そこに居たのか?解りませんが、ガイドさんの「見えてきたよ〜」の声に、景色をじっと見る我々。 6000〜8000mの山々が見える位置というのは、我々が思う「山の頂きが見える位置」と言うのをはるかに越し、空のど真ん中に山々が登場したことに、驚き隠せず。 アンナプルナ連峰が我々の前に姿を現してくれました。 ただ、ただ、感動です。 こちらの真ん中にある山が、神の住む山「マチャプチャレ」。英名は「フィッシュテイル」とも言うらしいです。 ここには神様が居るということで、人は入山できないのです。ということもあり「前人未踏」の山。 その美しい山の姿に、言葉を失います。 ヒマラヤ山脈って、やっぱり人生に一度は自分の目で直接見てみたい。 そう思い、ネパールに足を運ばれる方も多いようですね。 一見の価値あり・・・といいますか、人間のちっぽけさと自然が織り成す何にも代えることの出来ない美しさ、強さのようなものが強烈に我々に押し寄せてきます。 ヒマラヤ山脈は、まだデカン高原に押されているらしく、年々ちょっとずつ成長しているらしいですよ。 自然のアートを猛烈にたたきつけられた瞬間でもありました。 |
サランコットからポカラの町に下りてきてからは、ポカラの街中にある湖「ペワ湖」にて、ボートに乗り、しまの真ん中にあるヒンズー教の寺院に行きました。 ボートもなかなか原始的で、乗るのも降りるのもちょっとひやひやする感じでしたが、手漕ぎのゆっくりしたペースで、湖の上から、先ほどみたアンナプルナの山々を見ながらぼーっとする・・・という夢のような時間を過ごすこととなりました。 日本での生活って、なんであんなに「せわしないんだろう」・・・・なんて、自国での生活を客観的に振り返ってしまったり・・・それくらい「何もない」ことの素晴らしさを味わうこととなりました。 1日24時間、色々な生活の仕方がありますが、、、。 こんな過ごし方もたまにはいいもんだなぁ〜なんて思いました。 さて、ボートから戻ってからは、ポカラの街でお買い物です。そろそろ、ちょっとずつですがお土産といいますか、名産品をゲットしていきたいものですよね。。。 ネパールはアジア雑貨天国です。 毛織物・コットン製品・ペーパークラフト・フェルト製品・木工品・アーユルヴェーダ製品・蜂蜜・紅茶・珈琲、ありとあらゆるものがあります。 長年アジアを見てきて思いますが、人気のある商品ほど「ニセモノ」が多く出回ります。 特に、ネパール産で人気のある「パシュミナ」については、その定義もあいまいではあるのですが、化学繊維を使用しながら「パシュミナ」と銘打っているものもよくあり、消費者(買う側)の審美眼が問われます。 安いからと言って買うのだけはNGですね。 今回は、ネパールの女性の仕事支援をしているNGOのお店で色々なお土産を買いました。 とても上質で丁寧な商品作りが素敵でした。。。 あとは、あったかーいヤクの毛を使って作られているショールやベッドカバーなど、アジアの中では暖かいものが買える国として貴重なネパール。 日本も寒いということもあり、暖かくなれるものをいっぱい買いました。 |
翌日、ポカラを後にし、来た道を戻るバスのたび。 みんな腹ペコでございます。
チベタン名物「モモ」。
餃子やショウロンポウに似た食べ物ですが、ガイドのスシールさんオススメのお店&オススメのバフ(水牛)のモモを一人一皿食べました。・・・ぜんぜんお腹いっぱいにならない・・・ということで、みんなでお替りを。 ネパールは何を食べても美味しいなぁ〜、アジア万歳!
おなかも満ちたところで、最後のカトマンズ観光です。
ということは、、、当然「マニ車」もあるわけです。
ボダナートやスワヤンブナートのようなお目目のついた仏塔って、なんかとてもキュートですよね。
さて、このスワヤンブナートは、とても高いところにあるのです。
そこから見えるカトマンズの景色がこちら。
ネパールはアジア最貧国と言われています。だけれど、人として生きると言う意味では、彼らのほうがよっぽど有意義に楽しく自分の人生をきちんと歩んでいるように見えたような気がします。 |
カトマンズ市内に戻り、最後の観光「ダルバール広場」です。バグダプルでも「ダルバール広場」と言うのがありましがし、ネパールのガイドブックを見ると至るところに「ダルバール広場」があります。 日本語にするとダルバール=王宮。
カトマンズのダルバール広場には「クマリの館」があります。 皆さまはご存知ですか?「クマリ」。
生き神さまで、満月に生まれた仏教徒の女の子が初潮を迎えるまで「生き神」としてこの館のなかで生活をしているそうです。カトマンズのここの館にいるクマリは「ロイヤル・クマリ」と言われ、絶大な力を持っているそうです。 クマリに関しては、色々な伝説があるそうなので、ご興味のある方は調べてみてください。
ただ、この2014年という時代において「生き神さま」がいるということに驚きと感動が押し寄せました。
さて、このキモかわいい感じの神さまは、カーラ・バイラヴと言いまして、『恐怖の神』シヴァ神の化身のひとつとされているのですが、なんかキュートなんですよね。 ここの前で嘘をつくと、その場で死んでしまうと言う言い伝えがあるそうで、、、どこかの何かに似ているような気がしますが、子供たちなんかは怖い存在かもしれませんね。
さて、宿泊していたタメル地区の夜の雰囲気は、こんな感じで、五色の旗がひらひらとたなびき、御土産やさんやレストラン、スーパーがひしめいています。 ここで、我々はネパール最後のお買い物に勤しみました。
どんな雑貨もかわいく、ネパール以外ではなかなか手に入らないものばかりなので、買い物にも気合が入ります。
スーパーでは、ばら撒き土産をたんまりと皆さま購入されていました。どんな国でもスーパーマーケットはありがたい存在です。
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翌朝、9時までにネパールを脱出しないといけない我々は、ホテルのご配慮によりお弁当を持たせていただき空港へ。。どこの国でもお弁当ってどうしてあんなに嬉しいのでしょうか? ガイドさんたちとお別れし、厳重な空港のチェックを終え、一路デリーへ。。。 マウンテンビューのフライト。地球は丸い、山はでかい、晴れてて気持ちいい、あっという間のフライトでした^^。 まさか、今回はインドに降り立つことになるなんて考えもしませんでしたが、半日デリー観光。 アライバルビザを申請しいざ! デリーと言う街の大きさにまずはびっくり! さすが人口13億(驚)。人の多さにも驚かされます。 これは、オートリキシャーという乗り物。インドではいっぱい見かけますね。 ああ、インドに来たな〜という気持ちにさせてくれるシロモノです。 今回は時間もないので、「カーンマーケット」という最近出来たという高級店が連なるマーケットにつれてきていただきました。いやー買い物時間が1時間でよかった。 2時間になっていたら、散財していたに違いないというポテンシャル高めのお店がいっぱいありました。 街中を車窓観光し、ニューデリーの街並みの大きさ、そして更に加速して大きくなっている勢いを感じつつ、インド門へ。 既に日が傾きかけて素敵な感じになっていました。 イギリス統治時代、第1次大戦で亡くなった兵士たちの慰霊碑だそうです。 大きさにもびっくりです。 90年代にインドに安旅行をした私にとっては、綺麗なデリーより、こういう街中にある露店のほうがなじみがある・・・。安く旅も出来て、高くても旅が出来て、、、アジアは自分のお金のかけ方次第でどんなたびでも出来るのがいいところな様な気がします。 |
この男性たちは「チャイ」を売っている人たち。 種火の石炭の上にやかんをかけているのです。 インド名物のひとつ。どこででも飲めます。 そして、その美味しさもさまざま。 あまりにも懐かしくてつい1枚撮ってしまいました。 インドといえば象・・・なのでしょうか?! デリーの空港には、こんなでっかな象の彫り物が置いてありました。たったの半日のデリー滞在でしたがやっぱり「もっと見たい」と思ってしまいます。 今回はアクシデントついでのデリー観光でしたので、インドについてはまた改めて訪問したいと思いました。 やはり、インドといえば仏跡だらけ・・ですしね。 いつか、訪問してみたいです。 最後に。今回の旅行は最初からスケジュール変更を余儀なくされ、そんな中で出来るだけ予定していたスケジュールを落とすことなく遂行できるようコントロールしてくださった現地ガイドのスシールさん、ドライバーさんには感謝しております。 そして、今回ご添乗いただきましたトラベルサライ小倉さんには、現地で漬物を作ってくださったり、急なインド入国でのビザ申請・写真準備など事細かに動いていただき、安心して旅行を終えられたこと感謝申し上げます。 そして、今回ご参加いただいた皆さま、急なスケジュール変更にも快く対応してくださりありがとうございました。また、皆さまとご一緒できることを楽しみにしております。 (ARTTRANSIT事務局) |