2013年11月14日(木)~19日(火) ニューヨーク美術館めぐりの旅
ニューヨークの美術館をごっそり回るというツアー。弾丸的な感じではありますが、忙しい日本人としては、1粒で3度はおいしい思いをしたいと誰しもが思うことです。 今回は、ニューヨークにあるたくさんの美術館のうち、見所の多いところをピックアップ+アートシーンの今がわかるギャラリーを中心としたツアーとなりました。 とはいえ、観光も必要です。 到着後すぐに、リバティアイランドに向かいました。 |
次に訪れたのは、グラウンド・ゼロ。 2001年9月11日に起こったテロで被害を受けたワールドトレードセンターの跡地です。 あの日を境に世界が変わった、と思う人もたくさんいることでしょう。 今その跡地は、このように水が湛えられモニュメントとして、あの惨事を決して忘れないよう静かにたたずんでいるように感じました。 ニューヨークでは、一つ一つの観光地に入場するたびに、沢山のセキュリティチェックを受けなければなりません。自由な国アメリカのひとつの陰のように感じました。 できれば、そんなことをしなくても人を信じ、自由に見学ができれば良いに越したことはありませんが、それができなくなってしまったというそのこと自体の意味をこの跡地は教えてくれているような気がします。
やはり、テロリズムというのはなくなってほしいものだと、強く思いました。 |
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翌日は3つの美術館を回りました。 その筆頭は、グッゲンハイム美術館。 フランク・ロイド・ライトの晩年の建築です。見た目もさることながら、内装もとても素敵で新しい美術館という建物のあり方を提示したのであろうこの建築の素晴らしさにとりこになりました。
ゆっくりと勾配のある回廊を作品を観ながらぐるぐると上がったり下がったり。途中のお部屋にはいるとホワイトキューブの展示室がいろいろなところに出現したりと、全く飽きない美術館です。
子供たちが、楽しそうに鑑賞している雰囲気がとても良かったです。日本では美術館に子供が何十人も座って、レクチャーを聴きながら、あーでもない、こーでもないといいながら課題をこなしている、というような姿は、ほとんど見られませんが、この美術館では、沢山のグループがそのような鑑賞方法で美術に触れていました。 落ち着いて観れないなど、いろいろな声もあるのでしょうけれど、私はそのオープンな雰囲気は良いなと思いました。
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次に訪れたのは「ノイエギャラリー」。 ここは、ドイツとオーストリアの作家と作品を展示していました。ちょうどカンディンスキーの特別展示が行われていました。 クリムトやエゴン・シーレなどの作品もあり、なんだかとてもおしゃれな美術館でした。 ミュージアムショップにも楽しいものがちらほら。 |
3つ目の美術館は、「MET」。メトロポリタン美術館です。ここの巨大さには心底驚かされます。 入り口にて、今回ガイドをお願いしました山村みどりさんと合流しまして、いよいよMETの見所をご紹介いただきながら鑑賞に入ります!
入り口では、アカペラで歌を披露している人たちがいたり、なんだか自由なものを感じました。ランチもこちらでいただきました。なかなかセンスがよくおいしかったです。
それにしても巨大な中の雰囲気に驚きを隠せず。 出てくる出てくる名画のオンパレード。これには興奮しきりです。エジプト・ギリシャなど古代の作品もとても多く、METの懐の深さを感じました。 この日は夜間拝観可能な日でしたので、残りたい人は残り、戻りたい人は戻るといった形で鑑賞初日を終えました。 |
翌日は、まずは「ニューミュージアム」へ。 ここは、日本人建築家SANAAが建築した美術館です。
建物の名前どおり、現代アートを扱った美術館です。 展示がとても自由で楽しい鑑賞でした。 しかし、楽しい鑑賞とは裏腹に、作家が伝えようとしているメッセージは、現代にいろいろ起こっている問題を表現していて、考えさせられる内容でした。 作品の評価については、いろいろあるのでしょうけれど、作品鑑賞後、自分の中に良くも悪くも印象が深く残る作品というのは、その人にとってはとても価値のあるものだと思います。 そういった意味で、今回の展示はどれもこれもインパクトがあるように思いました。
さてさて、日本人建築家SANAAは、金沢の21世紀美術館の建築でも有名ですが、しっかりとそのマインドを感じられる空間作りで、なんだか興奮してしまいました。 |
その後、ロウアーイーストサイド・テネメント博物館を鑑賞後、チェルシーに向かいました。 チェルシー地区は、300超のギャラリーがひしめくギャラリー街。そして最近は、線路跡を活用したハイラインというお散歩コースのようなところができて、ホットなエリアのようで、土曜日とあってかものすごい人でした。
私たちもそれに混じって、せっせせっせとギャラリーをめぐりましたが、とても膨大で回りきれるはずもなく、ガイドをお願いした山村さんのセレクトで効率よく回れたことに感謝です。
さて、その中で草間弥生を展示しているギャラリーがありました。入り口には100m?200m近い行列が!!
彼女のインスタレーション展示を見る行列だったのです! 「す、すごい!!」。 NYの人たちは、日本と違ってもっと気軽な気持ちでギャラリーを回っているように感じました。それもあってか展示もちょっとアトラクション的なものを感じる楽しいものが多いように感じました。
外にパブリックアート的に展示されていた、ガソリンスタンドの施設に沢山の羊。。。
日本人が経営しているギャラリーも幾つかありました。 ミヤコ・ヨシナガ・ギャラリーでは、山村さんのお陰もあり、直接色々なお話をうかがえることができ、チェルシー地区のギャラリーについてや、日本人作家たちの評価など少しNYでのアートシーンが見えたような気がしました。
こうやって、ぞろぞろ見に行くと、当然ですがもっともっとイロイロみたい!という気もちにもなってくるのです。
本当は、この後ソーホー地区に行ってお買い物を予定していましたが、それは取りやめ、ギャラリーが開いている時間めいいっぱいまでギャラリーを訪問して歩きました。 |
オプショナルツアーで希望者のみ訪れた、ジャズの殿堂 「ヴィレッジ・ヴァンガード」。 地下の渋すぎる会場でしたが、その雰囲気とジャズの音色に酔いしれました。 ジャズは難しいという人もいますが、ジャズほどアートな音楽もないと思います。 即興が奏でるインスタレーションとも言うべき音色は、聞いているだけでもゾクゾクします。 沢山のお客さんが、その音色に酔いしれておりました。 タクシーでホテルに戻り、この日は無事に終了しました。 |
最終日!となる、この日も3つの美術館を回ります。 まず一つ目は、MoMA。ニューヨーク近代美術館です。 ガイドを願いしている山村さんはこのMoMAでガイドのお仕事をされています。 それもあって、とても楽しく鑑賞することができ、作家と作家のつながり、作家それぞれの作品の変化、そしてその時代は美術史上ではどのような動きであったのか?などとても詳しく丁寧にお話してくださり、かなり勉強になりました。
何よりも、作品に対しての愛情があふれる解説で、一つ一つの作品が好きになってしまうほどでした。 プロのガイドさんはやっぱり違うなー!と感激でした。
それにしてもMoMAも、名作ぞろいです。 教科書で観たような作品が次から次へと出てくる出てくる。。。。興奮MAXですね。
印象派以降の美術を学ぶなら、MoMAは最高ですね。 私は、キュビスム移行の流れがとても面白く鑑賞しました。
こちらも、1日ではとても見切れないボリュームです。
最上階の特別展示室では「ルネ・マグリット展」までやってくれていると・・・。もー、贅沢三昧の鑑賞時間でした。
・・・・当然時間も押してしまったわけです。 |
簡単に昼食を…と入ったお店で、また時間がかかってしまい、押せ押せのタイムスケジュール。
ホイットニー美術館とフリックコレクションをざざざーっと鑑賞したわけです。
ホイットニー美術館は、外観の重厚さとは裏腹に現代美術が展示されていました。 こんなところにオキーフが!!沢山の作品が展示されていました。
そして、フリックコレクションは、富豪の邸宅だったところを美術館として開放しているところで、これぞ贅の極みと言うべきか!! しれ〜と、とんでもない名画たちが並んでおりました。
たまたま「マウリッツハイス展」がやっていたのですが、それも含め、ここには何点のフェルメールがあるのでしょう??・・・・見たことのないフェルメールに出会えました。
それだけでなく、とにかく名画ぞろい。 ここは一度行くべき美術館だなーと思いました。 その邸宅も素晴らしく、もっとゆっくり居たかったなーと言うのが率直な感想です。 |
最終日の夜のオプショナルツアーは、ミュージカル鑑賞。 ウィキッドというオズの魔法使いをベースにしたストーリーで人気のあるブロードウェイの舞台です。 ショービジネスのトップに君臨しているのがこのブロードウェイなのでしょう。生で鑑賞したその迫力には正直感動しました。鳥肌ものです。 歌声がとても素晴らしく鑑賞者を圧倒します。 どうしてブロードウェイでの演目がすごいといわれるのかがよくわかりました。 これも立派なアート。すごすぎる迫力でした。。。 その後、タイムズスクエアを散歩しながらそのままホテルへ。最後の夜も更けていきました。 実は帰国便が4時間半ほど遅延した関係もあって、最終日は皆さま各自お買い物などの時間に当てられたようで、結局お買い物時間が作れなかった部分をフォローできた形になりました。 いいんだか悪いんだかですが、結果としてよかったです♪ 弾丸・そしてビッチビチに詰まった内容の濃すぎる旅行となりましたが、NYのアートをめいいっぱい感じられた素敵な旅行となりました。 それもこれもご参加いただいた皆さまのお陰かと思います。至らない点もたくさんありましたが、本当にありがとうございました。 最後に、美術ガイドを務めてくださった山村みどりさま、現地ツアーガイドとして色々お世話くださった水本さま、 添乗くださったトラベルサライ小倉さまには心より感謝を申し上げます。 素敵な旅行にしてくださり本当にありがとうございました。 |