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イベント案内

過去のギャラリー巡り
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2022年4月2日(土)両国エリア「アーティストが共同運営する”外見は下町の工場風”のスペース」 など 

2022年よりスタートした「ふらっと入りにくいギャラリー」訪問シリーズ。
3回目は「両国駅」近辺に点在する2つのギャラリーに訪問いたしました。  

両国と言えば、お相撲や江戸東京博物館など、どちらかというと伝統文化のイメージが強いエリアという印象があるかもしれません。
しかし、実は美術ファンにとっては、すみだ北斎美術館をはじめ、良質なギャラリーなども点在している楽しいエリアの一つでもあります! 

まずは両国駅の南側の、会社や集合住宅のビルしかなさそうな路地の一角にあるギャラリーにお邪魔いたしました。伺ってみれば、もともとは印刷工場だったという場所をギャラリーにしたとのこと。知らなければ、通過してしまいそうなほどしっとりと存在しているギャラリーでした。
 今回訪問した「ART TRACE gallery」は、2004年ごろからスタート。代表の有原友一さんのお話によると、当初はNPOでの活動があり、そこから自分たちでギャラリー運営をしてみたいというアーティストたちが集まり、こちらのギャラリーをスタートさせたそうです。

2年ごとにメンバーを募集して計画的に展示をしており、特定のギャラリストやキュレーターは置いていないそうです。 アーティストたちだけで運営をしているため、受付等もアーティストが当番制で担当。そのため「必ずアーティストに会えるギャラリー」でもあります。

運営に関わるアーティストの募集は公募というかたちをとっていますが、実際にはこのギャラリーの活動内容をある程度知っている人が申し込んでくることが多いため、展示に関してはおおむね一定のレベルが保たれています。
注目すべき作家・作品も多いので、定期的に行く価値のあるギャラリーです!

今回は、佐藤岐夜美さんの「花の集まるところ」と、神谷太朗さんの「A BLOCK」を鑑賞いたしました。
佐藤さんがこのギャラリーの運営メンバーになるのは2回目で、今回の展示では張り子の技法による立体作品を多く展示していましたが、もともとは主に絵画を制作していたそうです。
神谷さんは、今回が初個展。写真を勉強していた際に、点字ブロックを撮っていたことがきっかけでその1枚1枚の個性に注目したそう。沢山の写真を展示するだけでは展示として弱いと思い、絵画作品も加えることで立体感のある展示を目指したそうです。

両国駅からギャラリー迄の点字ブロックを撮影したという骨の折れる作業から生まれた丁寧な展示は、初々しさと覚悟のようなものを感じました。
続いては、すみだ北斎美術館、GALLERY MoMo Ryogoku(この日は展示替え期間中のため休廊)、江戸東京博物館の前を通り、次の訪問先である
「PICTORICO SHOP&GALLERY」へ。

両国国技館にほど近いビルの中にあるのですが、外観からはそこにギャラリーがあるとはわからない感じです。
こちらの運営母体は写真の出力で必要となるさまざまな用紙を扱うメーカーさんです。
写真系のギャラリーはカメラやフィルムの会社が運営するところはいくつかありますが、専用用紙のメーカーによるギャラリーは珍しいとのこと。

写真愛好家が集まるギャラリーという「流れ」ができているので、経験が浅かったり、まだ注目されていない作家でもたくさんの人に作品を観てもらいやすいというメリットがあります。
「写真と紙の相性は、実際に出力してみないとわからない側面が多く、さらには展示してみると印象が違うということもあるので、まず展示をしてみるというのはとても良いことだ」と、
ギャラリーの佐藤瑛美氏。

この日は里誠氏「冬の陽の贈り物」展が開催中でした。

 

展示作品は、テーブルの上に置かれたガラス製品とその影を撮影したものでした。

 

光の方向や強さにより、その瞬間にしか出会わない「一期一会」を切り取った儚くも強い作品たちにくぎ付けになりました。

あっという間の2時間はおわり、皆さまと再び両国駅に戻り解散となりました。

この日は、2ヶ所のギャラリーでお話を伺い、予定通り約2時間で終了となりました。

 

このイベントを通じて、一人でも多くの方が、さまざまなギャラリーへ気軽に足を運んでいただけるようになってほしいという願いを込めて、5月以降もまた「ふらっと入りにくいギャラリー」へ訪問してみたいと思います。

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