ART TRANSIT TOP > イベント案内 > レギュラーイベント > ギャラリー巡り > 過去のギャラリー巡り
2022年3月5日(土)世田谷エリア 「住宅街の中にあるコンパクトでユニークな空間構成のギャラリー」 など
2022年よりスタートした「ふらっと入りにくいギャラリー」シリーズ。 2回目は、世田谷エリアで「祖師ヶ谷大蔵駅」の近辺に点在する2つのギャラリーに訪問いたしました。 駅を降りるとすぐに、ウルトラマンの像があります。 そしてそこから続く商店街は、円谷プロダクションによるウルトラマン誕生の地ということで、「ウルトラマン商店街」と名付けられているそうです。 その途中を曲がると、賑やかな商店街がすぐそこにあるとは思えないくらい閑静な住宅街が広がっています。 すると、ほどなくして住宅ではなさそうな建物が出現。それが、今回お邪魔する「GALLERY TAGA 2」でした。 |
外観はシックな作りで人目を引きますが、そこがギャラリーとわかっても、気軽に入れるか?と言われると、勇気がちょっと必要かな?という印象です。 実際、ギャラリストの田賀さんのお話によると「看板を見て「ギャラリー」とわかっても入口の前で行ったり来たりしている人も結構いらっしゃいますよ。」とのことでした。 玄関を入るとそこは展示空間となっており、奥に進むと、2階へと続く階段があります。そちらを上ってゆくと、さらに、天窓がある素敵な展示空間がありました。 |
今回は開催中の展覧会、『相川勝「マッターホルンを登る」』を鑑賞いたしました。 田賀さんによりますと、相川氏は、「見る・見られる」や「パブリックとプライベート」等の関係性に注目し、過去には監視カメラの映像を使った作品なども制作しているとのことでした。そのようなお話を伺って改めて作品を観てみると、相川氏の狙いが作品からも感じられ、非常に面白くワクワクする気持ちになりました。 こちらのギャラリーは、田賀さんのお母さまが1990年に開いた「GALLERY TAGA」を前身としています。そのクローズを経て、田賀さんご自身が現在の名称でギャラリーをスタートさせたのは、2014年のこと。今は年間8本の企画が開催されているそうです。 建物と設備はお母さまが開廊した時の状態を基本としており、時代を感じさせる部分もありますが、「それを「味わい」として楽しんでくれている作家さんもいて、有難い」と、田賀さん。 |
案内役の山内さんも「作家さんがギャラリーの空間をそれぞれどのように使っているか?に着目するのも、同じギャラリーに何度も足を運ぶ醍醐味の一つ」とお話しくださいました。
田賀さんに「どんな作家を紹介したいとお考えですか」と尋ねると「作品のジャンルにこだわりはないが、綺麗だな…と思うだけの作品よりも、新たな視点・議論を生む作品が好き」とのことでした。 これからも、そんな田賀さんによる企画を楽しみにしたい、そんなギャラリーでした。 |
後ろ髪をひかれつつ、我々一行は次のギャラリーへ。 目と鼻の先にあるカフェギャラリー「Cafe & Gallery Roomer」にお邪魔いたしました(こちらは、場所さえ分かれば比較的入りやすいギャラリーです)。 建物の中に入ってみると、そこには飼い主さんとともに数匹のワンちゃんが。「ヨーロッパにはワンちゃんと一緒に過ごせる空間は多いのに、日本にはあまり多くなかった。そこで、ドッグカフェにギャラリーがついているというイメージの空間を作ろうと思いました」とオーナーの是枝さん。 |
ギャラリーに関しては「これから何かを頑張って発信したいという人たちの最初の一歩として使ってもらえたらいい」という想いがあるそうです。カフェとギャラリーは切り分けて使えるようにもなっていました。
カフェのメニューもオリジナリティのあるラインナップで、作品を観ながらゆっくりお茶もできるなんて、優雅な時の過ごし方だなと思いました。 |
この日は、2ヶ所のギャラリーでお話を伺い、予定通り約2時間で終了となりました。
このイベントを通じて、一人でも多くの方が、さまざまなギャラリーへ気軽に足を運んでいただけるようになってほしいという願いを込めて、4月以降もまた「ふらっと入りにくいギャラリー」へ訪問してみたいと思います。 |